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【読書感想】やりたいことを考える―『お金の学校』坂口恭平著を読んで

『お金の学校』 坂口恭平著 晶文社 2021年出版

 友達から誕生日プレゼントにもらった本。

 とても面白くて、声に出して、笑ってしまうとこ数か所。坂口恭平さんにハマる。

 私が学生のころはよく大人たちに「好きなことで仕事ができればいいね。でも、そういう人はわずかしかいなくて、結局そうじゃない仕事をして余暇で好きなことをする道もあるよ」と言われてきた。好きなことを追い求めすぎて、いつまでたってもモラトリアムでずっと働けない、といったことも考えられる。実際、私は、大学院に長いこと在籍してきて、退学しても、正社員の仕事に就けず、何してきたんだろうと思っている今日この頃。でも、この本読んだら、もっと好きなことして生きていける道を探そうと思った。一般的に、文学やら芸術やら音楽やらは、食っていけないとされている。でも、坂口恭平さんは見事にこの全てをやりつつ、食っていってる。自分の本を売るとき、初版を譲ってもらって、印税いらないです、といったくだりのやり取りは、商売うまいな、と思った。

 好きなことって十代、二十代のころはなんとなくあった気がしたけど、四十になると、いつのまにか忘れている。私の場合は、その間に、本気で「死にたい」を挟んでいるので、その間に自分が好きなことあったという気持ちもどこかに蒸発してしまった。就職活動が100社以上受けてもダメで、酷いこと言われる面接繰り返してたら、ほんとに自分がダメな人間に思えて、すっかり、生きる気力をなくしてしまったのだった。働きたい、という気持ちは人一倍ある。というか、稼ぎたいよね。この本を読んだことをきっかけに、ちょっとずつどうしたら自分が好きなことやって食っていけるか、考えていってみようと思った。


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