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"視る"をアップデートしてみた。

僕はテレビを持っていません。この前の年末は、どうしてもメイウェザー×天心が見たくて友達に借りました。思い返してみると大学に入った頃からテレビを見なくなり、実家を出てからはテレビを持っていたことがありません。どうしてテレビを見ないのか考えてみると、

① 好きな時に好きなコンテンツを見れない。
② せっかちすぎて、動画の再生速度とCMにストレスを感じる。
の2つに理由が集約されます。特に、圧倒的に②が大きいです。

昔とちがい、YouTubeやNetflixのおかげで、今は好きな時に好きなコンテンツを見ることができます。インターネットの世界では①の問題は解決され、僕もそれなりに動画を視るようになりました。エンタメはもちろん、ニュースや勉強関係、買おうか検討しているもののレビューなんかは、テキストベースのものよりも動画の方が欲しい情報が見つかることも多くなってきています。

もちろん、動画にしか欲しい情報がない世界に置いていかれるわけにはいきません。今回は、森がどうやって②のストレスを克服し、"視る"ことを自分に最適化したのかについて書いてみます。

前回の「"文字入力をアップデートしてみた。」は、仕事で文字入力をする人向けの内容でしたが、"動画を見る"ことはほとんどの人が日常的にしているはずなので、今回の方がたくさんの人に役立つかと思います。

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12年前。追い詰められて生まれた最初のイノベーション。

突然ですが、僕の母は15年前、冬ソナから韓ドラにハマり、今日に至るまで韓ドラを見続けています。ついには留学すらすることなく韓国語がしゃべれるようになった母から『好きって偉大だな』と勉強させてもらったのはさておき、大学生の頃、家に帰るといつも母がテレビの前にかじりついていたのを覚えています。僕は本でもなんでも、見始める(読み始める)と途中でやめられなくなってしまう性格なので、絶対に母が見ている韓ドラをいっしょに見ないことを決めていました。

事件は、冬ソナから3年が経ち、僕が大学を5年で卒業できるかどうかがかかった論文を書いている時に起こりました。

〆切まで残り一週間。ゼミ室に泊り込みで卒論を書いていて、着替えを取りに帰った時、母が"朱蒙(チュモン)"という韓ドラの第一話をちょうど見始めました。この時、隣でゴハンを食べていた僕は、うっかり母といっしょに第一話を見てしまったのです。母が寝た後もひとりで朝まで10話ぶっ通しで見続けたところで、違和感が生まれました。

『このドラマ、全然終わる気配がしないぞ?!』

そう。僕は韓国ドラマが日本のドラマとちがって、10話前後で終わらないことを知らなかったのです。朝起きてきた母に聞いてみると、チュモンは全81話とのこと。※チュモンは漢の支配下にあった朝鮮半島で古朝鮮の再興を志、高句麗を建国するという大河ドラマで、韓ドラの中でも特に長いようです。

ドラマの先は気になる。けど、あと一週間で卒論を50ページ書かないと卒業できない。

今思うと、やはりイノベーションというのは追い詰められた時に生まれるものなんでしょう。僕はこのジレンマの中、苦肉の策として、『早送りで視る』という選択をしました。そして、12年前のこの選択こそが僕の"視る"をアップデートしたのです。

チュモンは韓ドラなので、当然韓国語で話が進み、字幕が出ます。そして森は、

『字幕さえついていれば、5倍速の喋りは聞き取ることができなくても、
5倍速の字幕を読み取り、内容を追うことはできる』

ことに気づいたのです。

結果、5倍速で丸二日かけてチュモンを見終わり、残り50ページの卒論を5日で書き終え、卒業することができました。(無事とはいえない卒業だったので、その話はまた別で書きたいです)

それから僕は、字幕付きの動画は4倍速、字幕がない日本語の動画は2倍速で視るようになりました。ロマンチックなシーン、緊張感のあるシーンはもちろん台無しになりますが、ストーリーや内容を理解することはできます。

ただ、問題はDVDの動画しか倍速で視られないことでした。

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最初の話に戻りますが、今は、YouTubeやNetflixのおかげで好きな時に好きなコンテンツを見ることができます。動画をDVDで視ることは、もうほとんどありません。

そして、倍速再生についても、昔僕が使っていたDVDの倍速機能以上に便利なサービスができました。それを使うと、
・YouTube
・Netflix
・News Picksの学習系動画
・amazon video
・Hulu(解約してしまったけど使えたはず)
・fbやtwitterで流れてくる動画
など、ほぼ全ての動画を自分の好きなスピードで視ることができます。

どうやったらその機能を使えるようになるかというと、めちゃ簡単です。

・PCのブラウザをgoogle chrome にする。
・chromeの拡張機能の、「Video Speed Controller」をインストールする。
これだけです。やり方はコチラを見てみてください。
※大きい画面で視たい時は、PCをテレビに繋げばOKです。

実際にぼくが使ってみた動画をあげてみます。


どうでしょう。思ったよりスピードを上げても、内容を理解できたんじゃないでしょうか?僕はだいたい、
・字幕付きの海外動画→4倍速
・日本語の動画 →1.7~2.3倍速(ストーリーが理解できればいい)
・日本語の勉強系の動画→1.3~2倍速(耳が追いついても情報処理がそんなに早くできない)
で使っています。

ブレイキングバッドやウォーキング・デッドなど、話数が多い海外ドラマを見る時は特にものすごく時間を節約できるので、かなり得した気になれました。

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偉そうに書いてきたけど、子どもの中では当たり前なのかも。

ここまで、動画に関してドラマで触れてきましたが、実際僕が動画を視るのに使っている時間は、ドラマを含むエンタメ系40:学習系60 くらいの割合です。

試したことはないけど、調べてみたらスタディサプリやschooのようなオンデマンド動画学習の領域も倍速再生に対応していました。たぶんここ超重要で、今後オンデマンドによる個別学習がさらに広がっていく中で、学習内容かつ、情報処理のスピードが個々に最適化されていくと、能力差がより拡大することになります。ぼくは非常にポジティブにこれを捉えていますが、逆に言うと、「知らない人は差をつけられる」ということでもあります。

スタディサプリは、学校によってはデフォルトで導入されているらしいので、今の子供は「倍速で学ぶ」というオプションを早い段階から持っていることになります。ただでさえ脳みそが劣化している大人が1倍速で学んでいると、どんどん若者に差をつけられるということです。おそろしいですね。

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"視る"の今後の可能性。

脱線しまくりましたが、倍速再生を使うようになると、"動画を視る"ということにおいて、エンタメだろうが勉強だろうが時間が2倍になります。

僕はこれをめちゃめちゃいいことだと思っているのですが、欲張ってしまうのが人の常。動画サービスを扱っている各社へ、今後の希望を書いてみます。

①ある程度キチンと制作されている日本語の動画コンテンツには全て、日本語字幕をつけてほしい。
②喋っている言葉から日本語の字幕を自動生成する機能を、レベルアップしてほしい。
倍速再生超ヘビーユーザーとして、この2つを切に願っています。

要は、日本語の動画に日本語字幕つけてくれ。

ということです。

日本語字幕がつくとどうなるかというと、海外の字幕付き動画を4倍速で視られるように、日本語の動画を2倍速から4倍速で見ることができるようになります。このちがいはマジででかいです。

ドラマや映画、授業など、制作サイドがある程度きちんとしているコンテンツには問答無用で日本語字幕のオプションをつけてほしい。翻訳の必要もないので、そんなに手間じゃないはずです。

そして、制作がきちんとしていないもの。ほとんどはYouTubeに上がっているようなものだと思うのですが、これに対しては自動字幕生成機能がレベルアップしてくれるとめちゃ助かります。動画の中でも紹介しましたが、実はYouTubeにはすでにこの機能があります。ただ、精度が低くてまだ使い物になる感じではないです。音声入力、自動書き起こしはすごいスピードで進化している分野なので、近い将来実現するのを楽しみにしています。

ちなみに、どうせ文字で読むなら最初から動画じゃなくて本で読めばいいじゃん!という声があるかもしれません。元々僕は、ドラマや映画は基本的に本で読むタイプです。ただ、みなさまご承知の通り、本と映像ではストーリー含め細部がちがうことが多いし、映像でなければ感じることができない領域というのは多分にあります。

表情や喋り方、雰囲気、間。そういったものは映像でしか感じることができません。そのために本と映像で分けてインプットしています。

なんだか書いてるうちに固くるしい雰囲気になってきたので、最後に森イチオシの動画を紹介して終わります。Netflixでやってるテラスハウスとあいのりが最近超面白いから視た方がいいよ!

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