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虎に翼、無理解の善意。

「今の私は、どうなるんですか!!!」

とらちゃんの憤りは、わたしの憤りでもあった。

NHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』。
土曜日の朝、先週のダイジェスト版を観ただけなのに、涙があふれた。
(毎朝観ていたら気持ちが乱高下して精神がもたなかっただろうから、ダイジェスト版程度でよかったと思う)

何に憤っているかわからないわたし憤りを、この記事がうまく言語化してくれていました。

穂高「結婚した以上、君の第一の務めはなんだね。子を産み、良き母になることじゃないのかね?」

これが、「無理解の善意」であった。

あなたのためを思って、という生ぬるい毛布に包まれ、気づけば簀巻きにされている。相手の優しさから発せられるものだとわかるから、こちらも無下にはできない。でも肌ざわりの悪い毛布は、じわじわとアレルギーを起こし、身動きを奪い、戦意を喪失させる。筋違いの優しさは、罪にならない暴力なのです。

まだ、わたしの年子の息子たちが1歳・0歳、2歳・1歳くらいのときだったと思う。
心身ともに大変だという話題になると、母も友人も年長女性も、
決まって必ず「もう少し大きくなるまでの辛抱よ」と言った。

もう少しって、いつ?
今の私は、今の私の生きている時間は、蔑ろにしてもいいって??

反発していた。
自分のためを想って言ってくれている言葉だからこそ、反論もできなかった。

今ではわたしが逆に、乳児期真っ最中の友人に声をかける立場になったが、
今でも"正しい返答"は分からない。


妊娠・出産で、女性が諦めるもの。
キャリア、自由、自己決定権。

なんだ。
昭和初期も令和初期も、ちっとも変っていないじゃないか。

昭和と令和で違うとすれば、
「一生諦める」から「中断」程度になったことかしら。


妊娠・出産だけでなく、女性の生き方を振り回すもの。

生理。

とらちゃんも「お月のものが重い」というシーンがあった。
よくぞ描いてくれた!と、わたしは興奮した。
経血そのものによる不快感と、その前後の女性特有の不調。
月に少なくとも数日はベストパフォーマンスを発揮できない。

生産性・効率性という観点だけからみれば、
女性に生まれただけで、男性より劣る。
平等に持っていくために、女性は男性の150%のパワーを要する。
なのに、給料や待遇は一緒か、それより低い。

そんな環境で、
やれ、女性管理者を増やせだの、
やれ、女性議員を増やせだの、
言うは易く行うは難し。


愚痴ばかり言いたいわけではない。
私もできればとらちゃんのように体を張って、進歩的な女性の生き方を体現していきたい。

昭和初期とあまり変わらない令和初期の世の中で、
体と心がすくんでいる自分もいる。

葛藤を繰り返しながらも、
行動できる自分を見つけていきたいと思う。

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