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台湾5 不動産

台湾、特に台北市内の不動産は高い。
仕事柄台北市内における賃貸の商業物件を多く見るのだが、不動産高がそのまま家賃高に繋がっている。

台湾における借地借家法は大家有利です。
物件契約期間満了時に大家から賃料大幅引き上げ要求され、泣く泣くのまざる得ない状況も多く聞きます。
私の会社も今年の事務所契約更新時には一方的に賃料を上げると通告されました。
また、家賃高に苦しんで撤退となるテナントも多く、数年労して経営が軌道に乗った直後に…など良く聞く話です。

今回は台北市内の不動産が高い理由に少し触れつつ、自身の住宅事情など。

なぜ台湾の不動産が高いのか

まず台北市内の不動産がどのくらい高いかと言うと不動産価格が所得比率で世界一高い事があったくらいだ。
簡単に言うと平均給与に対して家の値段が非常に高いということです。
下記所領上では国全体で見ると、2019年度では台湾は3位、日本は51位のようですね。


ここまで台北市内の不動産が高くなった背景は、過去に投機的な不動産購入が繰り返し行われ、急激な価格上昇が起こった事によります。どのくらい急激かと言うと、2001年から2018年までの間で2.8倍程度です。
すげぇ不動産バブルだ。

余談ですが、中国語の老師から「有人斯有土、有土斯有財」という言葉を教わったことがある。これは5経の一つである礼記に記されている言葉で、古来中華圏には一般的に家を構えることは財を築くことと同義だとされる意味です。
だから台湾人の不動産購買意欲は非常に高いんだね!と言うのはさすがに乱暴すぎる論拠ですが、台湾人は投資が好きですから投資目線で不動産購入を考えている人も多くいるようです。

しかし、見渡してみると市場で見かける利回りは1~3%が多くなっているので、今後高止まりで収束する可能性もあるかも知れません。
台湾旅行に来られた方は台北市内の街角にある不動産屋の軒先に張り出している不動産広告を見てみてください。
めちゃ高いですよ。

我が家の住宅例

具体的な例を示すと分かりやすくなるので私が3年半ほど住んでいる今のマンションについて簡単に紹介します。
台北市内の築11年、MRT駅徒歩7分圏内、2LDK(60㎡程度)で月30,000元です。
別途管理費は月2,500元。駐車場(駐輪場)は借りていません。
ちなみに購入となると間取りにもよりますが1,800-2,400万元程度(6,000-8,000万円)のようです。

間取りはこんな感じ。

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住宅特徴としては比較的浅築かつ路面沿い、ガスコンロ付き、浴槽無し、管理人24時間在住です。
特徴として挙げたいくつかは日本のマンション事情と比較すると特異な点となります。

▼ガスコンロ付き
台湾は外食文化。3食外食と言う人も多く、単身向けマンションなどはキッチン無しが多いです。つまり家賃が上がるポイント。

▼浴槽無し
浴室ですが日本のようにユニットタイプはほぼ無く、ユニットバスやユニットシャワーを扱っているメーカーもごく僅か。多くの物件は石材タイル張りの浴室スペースにトイレ、洗面台、シャワーが地続き状態。
日本人ですからたまには湯につかりたいですがバスタブ有り物件は高額と言えます。

▼管理人
それなりの規模となる住居専用ビルは1階に管理人が常駐します。
私ははあまり必要性を感じないのですがECサイトで買い物した場合などは自宅に不在でも管理人が受取していてくれるので、それだけが助かっています。
自宅近くにある高級マンションは常駐管理人3-4名体制で出入口扉の開け閉めだけを行う役割の人もいます。
自動扉で良いでしょ。
必要かな?といつも思います。


家賃の月30,000元(日本円では約10万円)という金額は台湾での大卒初任給とほぼ変わりません。
日本感覚では20-22万円といったところでしょうか。
現地人感覚すると勿論高いですが、周りのお付き合いのある日本人駐在員の方々は家賃が60,000-70,000元程度の方も珍しくもありません。
上を見たらきりがない。

社内の台湾人はほぼ全員実家住まいなのですが、やはり財布事情が多いに関係しています。
お金に関わる話もそうですが、深く理解するにはなぜそのような市街形成になったか?そして歴史の話になりますが、長くなるので気が向いたらポツポツ綴りたいと思います。