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どうして顧客を明確にするの?

商品企画には顧客と顧客価値が必須です。
ちょっと本棚からマーケティングや商品企画の本を引っ張り出せば必ず書いてあります。
一方で、顧客を明確にすることについて疑問を持つ人もいます。
より多くの人に買ってもらった方がいいのに、何故わざわざ対象顧客を減らすようなことをするの?
改めて聞かれた時にあなたはどう答えるでしょうか。
うるさい黙れと怒鳴りつけてはいけません。
どう納得してもらうか、それがマーケッターの腕の見せ所です。

簡単な説明で成程と納得するような素直な人はあまり多くありません。
職歴が長い人ほど素直さはなくなり、なかなか話をする飲み込もうとしません。
だから説明という外部刺激ではなく、自分ごととして捉える内部変化が必要です。
これこれこういう理由で顧客の明確化ぎ必要なのではなく、あなたのその考え方はまさに顧客の明確化の一端なのですと示すことが第一歩です。

頑固な人には聞いてみましょう。
よりたくさんの人に買ってもらうということはどういうことなのでしょうか。
機能をモリモリにして安くするということでしょうか。
それで売れても原価がどんどん上がるので利益がなくなります。
機能モリモリで価格を下げるなら誰でも考えずにできるので類似品が増えます。
類似品が増えれば更に価格競争になります。
どこまでも安く作れるわけではないので、どこかで何かを削らなければなりません。
何を削るでしょうか。
求める人が少なそうな機能や仕様を削ります。
はい、ここがポイントです。
削ってもいいという判断をした時には、例え1%でも顧客を明確にしています。
切り捨てていい範囲とそうでない範囲を線引きしているのです。
顧客は誰かをお人形あそび的ペルソナまで落とし込まなくても、線引きした時点で少し明確にしたということです。

また、安くて機能モリモリなお買い得品と設定した点も顧客の明確化です。
そこからは高くてもシンプルなものがいい人は除外されているからです。

人は知らず知らずに顧客を特定します。
知らず知らずに差別的な意識を持つことと全く変わりありません。
優遇冷遇も、区別差別も、自然と行って生存競争に勝ってきているのですから。

顧客を明確にする必要性が分からないといったいる人も、知らず知らずに少しずつ明確にしているのです。
ちょっと揚げ足をとってみればきっと気付くことでしょう。
後はどのくらいの粒度まで鮮明にする必要があるかだけの匙加減です。
推してダメなら引くように、そのものを伝えるのが難しいと感じた時には自分が伝えるのではなく相手が想像すること、そのものを伝えていくのではなく外側を少しずつ除外することを考えてみましょう。

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