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機能的価値と情緒的価値の見分け方

顧客に提供することのできる価値には機能的価値と情緒的価値があります。
機能的価値は提供する製品がもたらす客観的な効果効能に関連するもので、競合品や代替品と比較が容易です。
また、比較が容易であるが為に模倣も容易であり、コモディティ化した環境が生まれる要因でもあります。
情緒的価値は提供する製品の顧客に対する主観的な影響に関連するもので、受け手次第で意味合いが変わる為、比較が困難であり、模倣するには本質を見抜かなければならない為、模倣も容易ではありません。
競争が激しくなれば機能的な価値の差異は乏しくなる為、如何に情緒的価値を高めるかが重要になってきます。
そして情緒的価値の積み重ねがブランドとしての力に繋がるのです。

機能的価値は模倣が容易でコモディティ化しやすい反面、比較して優位性を示すのが容易な為、例えば価格と機能で勝っていれば売りやすいということが誰にでも分かります。
一方で情緒的価値は受け手次第になる為、扱い方を間違えると企画者の独り善がりになるリスクを持っています。
では機能的価値と情緒的価値をどこで見分けると良いでしょうか。

分かりやすい線引きは数値化です。
数値は客観的なものなので比較できます。
つまり機能的価値です。
100g入りのお菓子と120g入りのお菓子、350kcalの食品と400kcalの食品、800Wの家電と1000Wの家電。
数値の大小にどんな意味を持たせるかで価値は変わりますから、ボリューム満点と食べきりサイズ、栄養満点と低カロリー、ハイパワーと省エネのように使い方次第ですが数値化されたものに起因するので機能的価値です。
一方で、可愛いとか優しいとかインテリアにマッチするといった数値化できないものが情緒的価値です。
何かのアルゴリズムを用いて数値化しても合意する人が限られればそれは数値に置き換えられた情緒的価値でしかありません。

競争が激しくなる中で競争原理が情緒的価値に寄って来ています。
情緒的に優れたものでなければ勝てないと言っても過言ではありません。
ですが忘れてはいけないのは機能的価値を蔑ろにしたものがうまくいくわけではないのです。
機能的に劣るから情緒的に表現する、そんな企画では誰も魅力を感じません。
顧客にとって必要性の低い機能を減らして情緒性を高めるといった狙いが必要になるのです。
まずは機能と情緒の線引きをして、現状を把握できるようにしてみましょう。

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