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カレーなる商品企画
商品企画のスタート地点で大切なことはなんでしょうか。
顧客価値を最優先に考えること。
間違いではありませんが正解ではありません。
売れることです。
競合に勝って売れることです。
どんなに顧客価値を最優先にしても、顧客に喜ばれても、ビジネスとして成り立っていなければ価値提供を継続できません。
顧客の習慣を変えるほど魅力的な製品を生み出すことができたなら、その習慣が継続できるようにするのが生み出したものの責任です。
従って「売れること」が最初にあるべきなのです。
これをカレーで考えてみましょう。
カレー屋を開くときに考えるべきことはなんでしょう。
①最高のカレーを作る
②競合より美味しいカレーを作る
③出店環境に適合したカレーを作る
ついつい考えてしまうのが①です。
中小企業が安易に追ってしまうのが②です。
正解は勿論③です。
では①②は何がいけないのでしょう。
まず①には答えがありませんし、それを顧客が求めているか、求めている顧客が認知して来店を繰り返すまで店を維持できるのかという課題が生じます。
②は典型的な失敗パターンです。比較表でカレーの仕様を分解して美味しくなったとしても、カレーの味はマーケティングミックスの4Pの内の一個に過ぎません。価格や宣伝などの差が生じてしまいます。
マーケティングミックスが製品•価格•販路•広告宣伝に分かれているようにその4要素を考えなければなりませんし、マーケティングミックスの前提はSTPによる戦略です。
どんな環境に出店し、どんな顧客が商圏にいるのかを考えなければ売れるメニューは考えられません。
学生街にあるならボリュームと価格を意識するでしょうし、ファストフード店が多い環境であれば本格的な味付けでの差別化が必要かもしれません。
価値の高さは環境や戦略によって変化しますので、売れるためには何をするべきかを考えることが重要になります。
顧客価値が最優先という綺麗な言葉に踊らされることなく、自社の存続と顧客の価値のバランスを考えるのが商品企画の醍醐味なのです。
華麗なる商品価格たれ。
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