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ただのグラフと戦略的なグラフ

資料にグラフはつきものです。
時間変化に伴う量の変化を示すなら縦の棒グラフ、量の多さを比べるなら横の棒グラフ、ある条件下における構成比を示すなら円グラフと、目的に応じて様々なグラフがあります。
どのグラフを使うかも商品企画を適切に表現する為に必要な力です。
そんな便利なツールの一つであるグラフですが、戦略に寄与するものとしないものがあるのはご存知でしょうか。
同じグラフであっても戦略に寄与しない場合があると言い換えてもいいかもしれません。

戦略とは目的の為に関係者間で合意された取り組みのことです。
合意がなければ結果が出たとしても偶然でしかありません。
戦略を戦略たらしめるのはこの合意というプロセスです。
そして合意を得る為には何らかのロジックが必要になります。
パッションだけで合意を得ようとしても温度差が生じますし、共通の取り組みができるか怪しいものです。
グラフは事実に基づいて作られたものですから、ロジックの源になります。
ところがロジックの源だからと言って、グラフだけで合意できるかというとそうでもありません。
グラフはグラフ、事実ではあってもそこに解釈がなければ何も合意できないのです。
そこに「意」がないのですから。

戦略的なグラフには常に解釈が必要です。
グラフの意味をどう捉えるか、グラフが示す事実に対してどんな取り組みをするかの提示があって初めて合意すべき内容が明らかになります。
そして合意すべき内容の積み重ねが戦略となるのです。

このグラフはこう読み取れる。
こんな傾向がある。
これだけではただの情報です。
グラフから読み取れる傾向に対して対策をしなければならないのか、読み通りに推移しているので静観すればいいのか、そんな解釈と意思表明があってようやく戦略としての役割を果たすようになるのです。
事実は事実として大事ですが、解釈し、提言することで戦略に繋がるのです。
グラフがあれば信用度が上がると考えるのではなく、戦略構築の為にグラフを活用しましょう。

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