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アンケート葉書の裏側

購入者から届くありがたいアンケート結果、定量データを分析したり、定性データを読み込んでみたりします。

メーカーには「もっとこうだったらよかった」というコメントが多く届きます。

このご要望の声、どこまで真摯に鵜呑みにするべきでしょうか。

「購入者がこういうのだから次に反映しよう」は早計です。

使い勝手の悪さや、スペックが上がるほど喜ばれる性能についての不満はきちんと受け止めるべきですが、意図して設定したものであれば、購入者の声をよく精査するべきです。

例えばオーブントースターの庫内の広さと加熱時間や消費電力は直接関係していますし、電気ケトルの容量と満水時重量もそうです。

何かを変えた時に因果関係として別の何かを失う恐れがある要望の時、その要望の裏にあるものをよく考えなければなりません。

注意すべき点はアンケートの回答は「だから買わなかった」ではないことです。

買って後悔したというネガティヴ意見であれば別ですが、概ね満足している中での「もっとこうだつたら」は思いつきの可能性もあります。

「こうだったら次も買いたい」だったり「こうだったら今すぐ買い替える」でなければ「とはいえ今のもので欲求は満たせるから買った」なのです。

アンケート等で直接的な声を聞き出すことは重要な手法の一つではありますが、忘れてはいけないことは、必ずしも万人がその商品に思い入れがあるわけではないということです。

思い入れがなければ思いつきでそれらしいことを書くかもしれません。

大事なことは聞いたことをそのまま鵜呑みにするのではなく、企画者自身の目でニーズを見出すことなのです。

バイアスに囚われないようにする一方で、一次情報を鵜呑みにしてもいけません。

企画とはそんな難しくも楽しいものなのです。


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