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観点と階層

仕事をしていると、社内でも話が通じないことがあります。
そういう話をしたいんじゃなくて、と遮りたいのに遮れず脱線していきます。
議論に結論が出ず、何故あんな方向に話がズレたのだろうと振り返っても分からず、相手に対して話が通じない人というレッテルを貼ってしまうこともあります。
ちょっとした会話なら気になりませんが、提案に対する承認の場だと気にせざるを得ません。
話がズレる理由には観点の違いと階層の違いがあります。

観点による話のズレ
これは業務プロセスのどこを主と捉えているかで生じるズレです。
例えば「お客様」という言葉を社内定義していなければ、開発部門にとってはエンドユーザーですが営業部門にとっては取引先になってしまうことが多々あります。
研究部門は挑戦を、品質部門は安全を求めるかもしれませんし、調達部門は供給の安定やキャッシュフローを考えるかもしれません。
業務プロセスのどこにいるかによって基本となる考え方の立ち位置が異なることは前提として意識しなければズレを解消することができません。

階層による話のズレ
役職の話とは少し異なります。少し、というのは近しい部分でもあるからです。
これは捉え方の粒度と言ってもいいかもしれません。
仕事を捉える範囲は幾層にも分かれています。
企業として捉える層、その中の事業として捉える層、更にその中のカテゴリーとして捉える層、その先にはブランド、商品、業務と続いていきます。
どの階層で物事を捉えているかの違いは認識に大きなギャップを生み出します。
業務の話なのか、商品の話なのか、事業の話なのか、そのズレは大きな食い違いを生みます。
企業内の地位と意識する階層は近しい関係にありますが、必ずしも一致するわけではありません。
ズレたまま話をすると通じないことや脱線することが多くなります。

階層を縦軸に、業務領域による観点を横軸にマトリクスを描くと自分が話そうとしているセグメントが見えてきます。
それが相手の返事から予想されるセグメントと一致しているかどうかを考えると、話のズレを修正する目安になるかもしれません。
また、何かの承認を得たい場合、承認を得たいセグメントの一つ上の階層で合意を進めると話は通りやすくなります。
商品の話よりブランドの話、ブランドの話よりカテゴリーの狙い、カテゴリーの狙いより事業の戦略といった形で上位階層で合意ができれば物事はスムーズに進むはずです。

ズレが生じるのは観点なのか階層なのか、意識してみると良いでしょう。

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