ワンマン経営にマーケティングはあるか

ワンマン経営者、カリスマ経営者、創業者、事業を拡大した二代目、そういった大きな力を発揮して会社を牽引してきた人達には強い思いがあります。
経営理念やミッション、パーパスなどと言葉を変えながら示されて来たこともありますし、経営者の中に秘められていることもあります。

そんなワンマン経営に、マーケティングはあるのでしょうか。マーケティングは必要とされているのでしょうか。

マーケティングとは価値交換の為のあらゆる活動を包含した言葉ですが、その手法の多くに現状を俯瞰して分析するフレームが含まれています。
圧倒的な支配力を持っているとき、俯瞰して分析することにどの程度の意味があるのでしょう。

多くの場合、何かをやるべきか否かを判断して、どのようにやるべきかを決めます。
Why、What、Howのゴールデンサークルに見られるように理由があり、なすべき事があり、実行手段が生まれてきます。

例えば家電で成功した経営者が通信事業を始めようとしたとします。
強いワンマン気質があると、どうしたら成功に導けるかから市場を見始めることになります。やらないという判断はないのですから。
うまくいく為の戦略があるかもしれませんし、うまくいくように見せることで経営者の要求のみを満たすことになるかもしれません。

リーダーには強い求心力と発信力が求められます。
何故なら合議で決めた平均点の内容に競争力はないからです。
ですが強い求心力と発信力をもつリーダーは、押すことも引くことも、進むことも戻ることもできる自然体なスタンスを持っていなければどこか歪な姿勢になってしまうかもしれません。

ワンマン経営者にマーケティングはあるか。
ない、という答えは稀です。
(本来稀ですが、ない事例を連続して見てきました)
ワンマンであってもマーケティングはあります。
しかし接頭語に「都合のいい」という言葉がつくことが少なくありません。
判断•分析の為のものでなく、推進の為の道具に成り下がっている場合もあります。

なんとかとハサミは使いよう。
どんな優秀なツールも、使い方次第なのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?