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ないものねだりのリスク

新しい企画提案です。
新ブランドを作りましょう。
新規ビジネスを考えましょう。
こう言った新しさを謳った企画の始まりには大きな罠が口を開けて待っています。
新規だからこそ色々やりたい、新しいチャレンジができる、そんな期待に胸膨らませながら挑み、現実とのギャップに苦しむ結果になります。
アイデアの実現性が乏しかったり、仲間内で意見が割れたり、後押ししてくれるはずの役員が逃げ腰だったり、理由は様々にありますが、一つ大きな共通点があります。

新規度×新規度は成功率に反比例します。

新規性の高い製品を新規の販路で販売する場合、リスクが劇的に高まります。
何が起きるか分からないものを掛け合わせているからです。
例えば行ったことのないマレーシアの屋台で食べたことのないジャージャー麺を売って成功できるでしょうか。
博多に行ったことがあって、屋台のラーメンを食べたことがあっても、飲食店の経験がなければ難しいように、経験外のことを重ねるほどにリスクは高まっていきます。

ではなぜ新規という言葉を聞くとリスクの掛け算をしたくなるのでしょう。
それは既存領域に対して常に限界を感じているから、新規領域なら拡大する可能性があると感じるからです。
自分達の苦手な領域で活躍している他社、新しい取り組みに挑んでいる他社、それに対して変化に乏しい自社。
その対比の中で新規領域に強い憧れを抱いてしまうのです。

新しい取り組みをしている会社によく注目してみましょう。
その会社の強みや得意分野を使っている筈です。
一般小売から見たD2Cは華やかに見えますが、実店舗を運営する為の土地を確保する初期投資の代わりにプログラミング技術に投資していることでしょう。
どこに強みを発揮するか、どこに投資をするかでそれぞれの強みは変わってきます。

新企画、新規事業を考えるとき、新しく何に取り組むかではなく、今ある何を利用すると新しい領域に踏み込めるかを考えましょう。
ないものねだりは無限に求め続けられますが、得られるものは限られているのです。

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