見出し画像

絵本で考える戦略

半日村という絵本をご存知でしょうか。
教科書にも採用された八郎や、表紙が印象深いモチモチの木などを描いた斎藤隆介氏の作品です。
高い山に囲まれた為に日中の半分しか日が差さず、貧しい暮らしを強いられている村の子供が環境改善の為に山を動かそうとする話です。
毎日山の石を少しずつ湖に捨てることで山を湖に沈めようと頑張るのです。
最初は馬鹿にしていた村人たちも、少し山の形が変わってきたことに気付いて協力し始め、最後には日の差す一日村になったという話です。

絵本らしい話の展開ですが、ここには戦略についてのヒントが隠れています。

戦略、戦術、戦力の観点で見ていきましょう。
目的は貧しい村の状況を変えることです。
子供は山を動かすことで日差しを手に入れ、農地の収穫高の拡大をするという戦略を立てました。
戦術は自力で石を運んで湖に捨てることです。
戦力は子供一人です。

最初の時点では戦略実現の為の戦略が乏しすぎます。
戦術も力技に過ぎないので戦力の最大化を図る知恵も何もありません。

徐々に人が増えていくことで、一人では動かせない大岩を複数名で動かしたり、背負子を作ったりと、一人×人数という戦力ではなく、人数増加による相乗効果を発揮できるような道具を使った戦術を取れるようになりました。

その結果として戦略は達成し、目的としていた豊かな村への道が開かれたのです。

戦略はビジネスで多用されますが、半日村で分かるのは戦力と戦術の重要性です。
戦略が如何に目的達成に有効そうに見えても、戦力が足りなければ始まりません。
戦力が足りなくても戦術を変えれば補えるかもしれません。
戦略、戦術、戦力、この一貫性ができていることが目的達成の為には必要になってきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?