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ユウとカオリの物語

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LGBTQ+当事者カップルの2人が描く恋愛小説。ユウ目線でのお話と、カオリ目線のお話を2人で書きあっています。セクシャルマイノリティの世界ではない、ごく日常の中で出逢った2人の物…
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2023年9月の記事一覧

第2章[第7話] 《ユウとカオリの物語 -ジェンダー編-》ユウの想い

前回話 カオリ目線のお話はこちら 第6話はこちら  初めて出逢った時の君は、ステンドグラスの光に照らされて、とっても寂しそうに微笑んでいた。「座りませんか」そう言って僕に微笑んだ君は、その寂しさを覆い隠すような、優しさに包まれていた。  気づけば僕は、暗い裏路地に突っ立っていた。あれ?僕なんでここにいるんだろう?ここはどうだろう?カオリ、どこ行っちゃったんだろう?道に迷ったのかな。僕を探しているだろうな。ん……?待てよ?……あ、ここ、覚えてるぞ。あっちの道をまっすぐ行っ

第2章《ユウとカオリの物語 -ジェンダー編-》両想い(カオリのつぶやき)

わたしの恋愛は基本片想いだった。側にいられればそれでよくて、そもそも両想いになれるって思ってなかった。ただ、隠すことはしないのでバレることもあるし、相手もわたしを憎からず思っていたら付き合うことになる。 結局、相手から言ってくるわけで、わたしはそりゃあ嬉しいからお付き合いしましょってなるわけ。 あ、わたしが片想いしてない相手が言ってきたときは、ごめんなさいってなるわよ、当然。 まあ、そんな感じで両想いになると楽しいよね。しあわせだったりもする。 けど、これが曲者なのよね。

第2章《ユウとカオリの物語 -ジェンダー編-》わたしとユウと友人たち(カオリのつぶやき)

ユウと付き合い始めたことを、わたしは親しい友人に知らせた。これまでのわたしの恋愛のあれこれをずっと見守ってくれていた友人だ。 恋愛はやりきったしもういいや、やさしい友人たちに囲まれて幸せだし、こうして穏やかに生きていくんだ。 わたしはそう思って日々を過ごしていたことを、言わなくても感じとってくれていた人たちに、自分でもびっくりしているユウとのことを伝えたかった。さすがに今回はびっくりするだろうな。。 わたしの予測なんて当てにならない。みな、びっくりするよりも喜んでくれた。

第2章《ユウとカオリの物語 -ジェンダー編-》わたしはわたし、ユウはユウ(カオリのつぶやき)

わたしにとって恋愛対象に性別の区別はないということは、割合早くから知っていた。それがマイノリティだということにも気づいていたけれど、だからといってなんの不自由も感じていなかった。 いつも好きになるのは身近な人だった。心の距離が近くならなければ恋愛として惹かれるなんてことは、わたしには起こらない。(これをデミセクシャルというのだと、最近知った。) 要するに、仲のいい友達に恋をするのだ。仲がいいので側にはいられるわけで、わたしはそれでいつも満足していた。片想いで十分で、伝えよう