第2章《ユウとカオリの物語 -ジェンダー編-》わたしとユウと友人たち(カオリのつぶやき)

ユウと付き合い始めたことを、わたしは親しい友人に知らせた。これまでのわたしの恋愛のあれこれをずっと見守ってくれていた友人だ。

恋愛はやりきったしもういいや、やさしい友人たちに囲まれて幸せだし、こうして穏やかに生きていくんだ。
わたしはそう思って日々を過ごしていたことを、言わなくても感じとってくれていた人たちに、自分でもびっくりしているユウとのことを伝えたかった。さすがに今回はびっくりするだろうな。。

わたしの予測なんて当てにならない。みな、びっくりするよりも喜んでくれた。
ユリちゃんとセイちゃんとは時々一緒に遊んでいたのだけれど
「カオリさんはいつも楽しそうだったんですよ、楽しいっていうのは伝わってました。でもね、どこか寂しそうだったのが気になってたの。ああ、よかったぁ~、もう寂しくないのよね!」と、ユリちゃんは言い
「カオリさんはね、大事にするばかりじゃなくて、大事にされることを知らないとねぇ。。」と、セイちゃんは言った。

ナミコさんは「カオリさんが幸せそうで嬉しい!めちゃめちゃ大事にしてもらっちゃってね!」と言い
マミさんも「ありのままのカオリさんでいられるんですね、素敵です!」と、とても喜んでくれた。

仕事上でも繋がりのあるユキノちゃんが、わたしがパンセクシャルであることも知らなかったにも関わらず、もうとっくに気づいていたみたいで
「彼女さんにお弁当とか作ってませんでした?」と言ったときは、心底驚いた。
SNSのストーリーにユウが載せてたお弁当を見て「カオリさんのお弁当?ってなんとなく思ったのよ」とのこと。

ユウに友人たちの反応を面白おかしく話していると、ユウが言った。
「凄いよね。みんな、セクマイの集まりで知り合った人じゃないんでしょ。ノンケさんもいるし。みんなフツーにカオリを受け入れてる。」

「そうね。お互いが好きで尊重し合ってるっていうのかな。感覚的にわからないことなんてあってあたりまえだし、そこも含めて大切に感じてるのよね。」

「いつか会いたいなぁ・・」
ユウはそう言って微笑んだ。

☆☆ 二人で小説書いてます。「ユウとカオリの物語」シリーズ ☆☆
過去のものも、よければ読んでください。
https://note.com/moonrise_mtk/m/mafeab246795b

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