短編小説「ア オ ク テ ウ ス イ」(全文無料)
「俺の血ってなんか薄いんだ..」
大学を卒業し都内の会社で働くようになって6年目。
29歳独身。出世、結婚、どちらの兆しも、まったくない。
未だに実家暮らしで、埼玉の家から1時間半もすし詰めの電車に揺られて都内の会社に通っている。
出社しただけでもうすでに疲れているけど、大丈夫。
誰にでも出来るような事務仕事を毎日毎日飽きもせず繰り返すだけだからさ。
真面目そうに見られる事が多いけど実はけっこう怠け者で、一度上司にこってり叱られた事もある。
それからは仕事の速度を上げる