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小説的な何か

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自作小説の紹介。主に短編小説でフィクションです。
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記事一覧

短編小説「ア オ ク テ ウ ス イ」(全文無料)

「俺の血ってなんか薄いんだ..」 大学を卒業し都内の会社で働くようになって6年目。 29歳独身。出世、結婚、どちらの兆しも、まったくない。 未だに実家暮らしで、埼玉の家から1時間半もすし詰めの電車に揺られて都内の会社に通っている。 出社しただけでもうすでに疲れているけど、大丈夫。 誰にでも出来るような事務仕事を毎日毎日飽きもせず繰り返すだけだからさ。 真面目そうに見られる事が多いけど実はけっこう怠け者で、一度上司にこってり叱られた事もある。 それからは仕事の速度を上げる

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短編小説「憧れを自転車で追いかけた夏」(一部有料)

初の小説+音源「憧れを自転車で追いかけた夏」の小説版(1.1 version)。 加筆修正していく予定です。 小さな修正なら1.0→1.1、大きめの修正なら1.0→2.0のようにversion名を更新していきます。 音源版はこちら→ https://note.mu/moonmusicroom/n/n1b36974b25af -------------------------------------------------- [1] 人は無我夢中になると凄い力を発揮する

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短編小説「点と線と」(全文無料)

「あなたの『痛み』なんて、どれほどのものだっていうの?」 彼女は煙草に火をつけ、溜息のように煙を吐いた。   「...そうだね」 僕は軽く頬を緩めると、ゆっくりとした口調でそれに応じた。 きっとみんな愛情表現が違うだけなんだ。 そう考えないと僕なんか、誰かの邪念で簡単に弾けとんでしまう。 月が満ち欠けるみたいに不安定な心たちは、何を求めているんだろう? ……。 「馬鹿ねー、考えすぎよ」 彼女は煙草を灰皿に押し付けると、神妙な顔をしている僕に言った。 「んん、何で

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短編小説「彼の宇宙」(全文無料)

彼は眼を開けていた。 薄暗い部屋で横たわり、闇の中で天井の向こう側の景色を見ていた。 人は誰も生まれながらに孤独だ。 何かをきっかけに「孤独になる」というものではないし、孤独に優劣はない。  だけど、彼は今、その記憶の中で器用に笑う人達より、ずっと孤独であるような気がしていた。 窓の向こう側からは、車のエンジン音が聞こえては消えていく。 闇から闇へと走り抜けていくドライバー達もきっと孤独に違いない。 何処へ行こうとも。誰と居ようとも。 孤独を「分け合う」ことなんてない。

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短編小説「夜はまだ明けない」(全文無料)

夜はまだ明けない。 彼女は起き上がると、僕に短い言葉とキスをしたあとで、バスルームの光の闇へと消えた。 彼女がいなくなってもまだ、僕はベッドの上で横になっていた。もちろん、シャワーを浴びて、すっきりしたい気持ちもある。 だけど、僕はこの何とも言えない状態がけっこう好きだった。 身体中に光る、汗や体液は、もう僕のものか彼女のものかもわからなくなっていて、彼女がまだ傍にいるような気さえしていた。 ああ、いっそ「君」とか「僕」とかいう境界線さえ、無くなってしまえばいい。

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