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あるがまま

ゲストハウスでの出来事

ゲストハウスの良し悪しは、ほぼ同居人で決まる。
つまり、運だ。
そして私は、なかなか運が強い。
そう、ずっと思っていた。

2022年1~2月にかけてInstagramでシェアしている三豊でのゲストハウス生活は、その固定概念を覆すものとなった。

2021年10月初旬。同居人はふたり。
仕事で三豊滞在中の男性Hくんと、三豊移住希望の女性Cさん。
私より一週間ほど前からゲストハウスに滞在していて、ここには長期滞在するという。

部屋は別なので、最初の数日は顔を合わす機会が殆どなく、それぞれと少しずつ話す程度だったが、すぐに好感を持った。
なぜなら少ないやりとりながらもきちんと会話が成り立ち(結構大事)、距離感をわきまえプライバシーを守ってくれる方々だったからだ。

そしてその好感は、さらにクリアになっていく。

私は一週間程度の短期滞在のため、食材を買っても余らせてしまうので、簡単にご飯を済ませていた。
そんな私にお米やおかずをシェアしてくれたり、缶ビールを分けてくれたり、生活の中で困ったことがないか心配してくれたりという小さな気遣いを細やかにしてくれる方々だった。
長年飲食店で働いているCさんにいたっては、お休みの日にディナーを振る舞ってくださったり、私の滞在ラストナイトに勤務先のレストランに招待してくれたりもした。

ゲストハウスの住人達でディナーを一緒に過ごす

なんて有り難いんだろう、なんて私はラッキーなんだろうと感動していたところ、Hくんに言われたひとことに驚いた。
「accoさんだからじゃないですかね?」

私だから?そんなわけない、きっと運だよと言うと
「こんなに滞在者と仲良く過ごすことはなかなかないですよ」
私より一回りくらい下の子に、まっすぐな目でそう言葉をかけてもらう。

ちょっとくすぐったく、そしてあったかい気持ちになった。
それと同時に
自分は自分のままでいいんだ
そう、感じた瞬間だった。

ゲストハウスは、いつもと違う土地で"暮らす体験"がリーズナブルにでき、「運」ではなく、「今の自分」をありのまま投影する不思議な体験場のような気がしている。

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