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【映画レビュー①】

今年から観た映画の感想をnoteに残していこうと思う。

ただし映画の場合は鑑賞時間や物語のあらすじ、自分の感想と意見など、書くために考える事が多いので、作品1つずつ書く事はしません。


1週間のうちに観た作品を簡単に紹介するという方向性でやっていきたい。

更新は毎週土曜日。本数は観る事が出来た数だけ、忙しくて1本しか観られなかった週もあれば、逆にいっぱい観た週も出てくると思う。

音楽のレビューも毎日書くぞと決めた事によって、なんとか続けられていたので、このようにルールを作ってしまえば必ず週に1本は観られるかと思っている。


昨年は、ほとんど観る事が出来なかったので、今年はなるべく多くの作品と向き合いたい。単純に物語に触れる事が凄く好きなので。

だからと言って、"大量に観る事を目的"として観る事はしないようにする。


音楽もそうだけど、大量に観たり聴いたりしても、そんなに多くは記憶出来ないし、そのうえすぐ忘れる。忘れてしまうと、それは何もしなかったのと同じぐらい勿体ない。

なので、自分の出来る範囲のペースで鑑賞して、ゆるい感想でいいので文章として残しておけば、またいつでも読み返したり出来るし、発表するとなればそれなりに考えて書くし、情報も共有出来て楽しい。


というわけで第1回目になるけど、今週は6本の映画を観た。劇場には行っていない、寒いので借りたDVDを自宅で観ている。


1.『あの頃ペニー・レインと』監督:キャメロン・クロウ 2001年

キャメロン・クロウ監督の自伝的なストーリーで、厳格な母親に育てられた15歳の男の子が音楽ライターとして、大好きなバンドのツアーに同行するというのが大まかなあらすじとなる。

そこで出会う女の子がこのジャケットのケイト・ハドソンが演じる、自身を"ペニー・レイン"と名乗る女の子で、彼女はそのバンドのファンみたいな子。

特にギター担当のイケメンに恋心を抱いているけれど、バンドマン達からは都合の良いように振る舞われ、その事を彼女自身も分かっている様子。

ドラッグやセックスの蔓延する中で真面目な15歳の少年が、ローリングストーン誌から仕事をもらって、ルポを書くために必死に動くけど、その間にも色んな騒動が‥。

なかなか面白かった!昔TSUTAYAでバイトしていた頃、映画に詳しい先輩から「君はこの映画、多分好きだよ」と言われていたのを思い出して、今回手に取ってみた。ようやく観た‥。

70年代を舞台とした音楽映画でもあるし、ツアーのバスに乗ったり、その着いた先でドタバタする様はロードムービーとも言えると思う。こういう分かりやすい青春映画は昔から大好物。

途中でバンドメンバーが喧嘩するシーンや、終盤にひと騒動あるんだけど、思わず笑ってしまうような台詞が出てくる。コメディ映画ではないけど、わりとコミカルな作風で純粋に楽しい。


2.『ベニスに死す』監督:ルキノ・ヴィスコンティ 1971年

トーマス・マン原作の小説を、イタリアの巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督が映画化した作品。この監督の作品を観たのは初めてだけど、この作品自体は有名だ。

静養のためにベニスを訪れた老作曲家アッシェンバッハが、そのホテルで出会った貴族の美少年タージオに惚れてしまう‥というか、自身の"美の追求"の頂点のように虜になってしまう、という物語。

台詞が殆どなく、俳優たちの表情から汲み取らなければいけないんだけど、本当に細かい演技で楽しませてくれる。

アッシェンバッハが食堂や海辺でもずっとタージオを見つめていて、少年の方も明らかにそれに気付いているのに、敢えて見つめ合ったり、微笑したり、まるで誘惑しているかのような振る舞いをする。

その表情から、このキャラクターが今どういう気持ちなのかという想像を膨らませていく事で、物語にどんどん引き込まれていく。

"老人が美少年に惚れる"というテーマだけ聞くとBLを連想するかもしれないが、そういうテーマではなく、踏み込んではいけないと分かっているけど、その背徳感から湧き立つ美への執着というかなり興味を唆られる内容だった。

今年まだ2本目の映画鑑賞だったけど、凄い映画を観てしまったと思った。



3.『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』監督:オリビア・ワイルド 2020年

昨年の公開された映画で少し気になっていたんだけど、レンタルが始まるのを待ってしまった作品。まだレンタルは開始していないけど、Netflixでは先に配信が始まった。

僕はNetflixで映画を観た事がなかったので、良い機会だし配信で観ようと試みた。アニメはわりと配信系アプリに頼っていたので。

いざ接続して途中まで観ていたんだけど、映画の場合は画質が悪くてあまり集中出来なかった。やはり僕は自宅の場合はDVDやBD派に落ち着きそうだ。

‥途中まで観てしまったので、接続を遮断し、スマホで映画を観る事に。画面は小さいが画質はこちらの方が良い。

監督は女優のオリビア・ワイルドが初めて長編映画で監督デビュー。この女優に関しては、何かしらの映画で目撃しているはずだけど、あまり覚えていない。

このジャケットの2人、共に優秀な成績で卒業する予定でその事を誇りに思っているけど、遊んでいたパリピ軍団も普通にハーバード大学入学予定だったり、グーグルに内定をもらっていたりして、自分の努力を否定されたかのように自信喪失。

そこで今まで遊んでこなかった分、卒業式の前夜に出来なかった事全部やろう!といって夜の街に繰り出す青春コメディ。

かなり汚い言葉や下ネタもたくさん飛び交うけど、この手のジャンルにはお決まりのギャグ。これでPG12だから、『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』を観られる年齢の子は漏れなく観る事が出来てしまう。

結構好きな作風なだけに、テレビの画面で観たかった。映画云々よりも、観る環境も大切だという事を学んでしまった。笑


4.『カメラを止めるな!』監督:上田慎一郎 2018年

これは当時、物凄く話題になっていた。のにこれまでスルーして観なかった自分を馬鹿だと思う。面白すぎた。

2018年の秋頃だったはず。言い訳すれば、この頃僕は当時の仕事で初めて異動を経験し、初めての行う仕事で目まぐるしい生活を送って結構病んでいた時期で、この辺から映画を観る気力を失っていた。笑

当時のTwitterのTLでも大評判だった事は覚えているし、"インディーズのホラー映画が少しバズってるな〜"ぐらいの印象しかなかった。

今回、正月明けでまだゆっくりしているこの期間、邦画も観たいなと思い、ふらっとゲオで借りたんだけど、多分返却までにもう1度観ると思う。仕掛けが多くて、完成度が高い。

何故あんなに流行したのに、僕があらすじを全く知らなかったのか。それは観た人たちがネタバレをしっかり防いでいてくれたからだ。

なので、ここでも紹介はしない。気になる人は、まず観てみよう!としか。本当に面白いし、この主演の俳優の演技が凄い。

流行する作品には絶対に何かある。だから早く手を付けようと思わされた作品。これからは迷わず観るべし。


5.『福福荘の福ちゃん』監督:藤田容介 2014年

これは当時観に行って、2014年の自分の年間ベストランキングで1位とした映画だ。この辺の時期は邦画もかなり熱く、矢口史靖監督の『WOOD JOB!』とか、『百円の恋』なんかも良かった。

この映画、ミニシアター系みたいなポスターだけど、しっかりシネコンで公開していた。僕は確か梅田のステーションシティシネマで観た記憶がある。朝1番の回で、お客さんが僕と50代ぐらいのおばちゃんの2人だった。

主演は森三中の大島、だけど配役は中年の男役だ。他キャストは水川あさみ、荒川良々、黒川芽以など。

大島は女性という認識だから、観始めた時は大丈夫かな?と思ったけど、全然男性に見えてくる。笑 それに加えてこの人もお芝居が上手い。ちょっと泣くシーンがあるけれど、本当に泣いていたし、めちゃくちゃ表情が豊か。純粋な中年の役なので、逆にあまりに適齢なおっさんの配役だとこの味は出ないだろう。

単なるコメディに観られがちかもしれないけど、もう1度観てみると違った印象を持った。

物語の中盤で「人は人を傷つけた分、その対価を払う時が人生には何度かある」といった場面と状況があって、確かにそうかも‥と思ったし、傷付けられた方はそれがコンプレックスとなって、闇を抱えて生きる事になる。

表面上では出さないけど、その闇を隠して生きている人は多く存在しているし、そういう人を増やしているのも自分かもしれない‥なんて思うと、もっと人に優しく接しないとな‥と思ったりして。大人になればなるほどドライな人間関係を築きがちだしね。

何より大島の演じる福田(福ちゃん)が純粋過ぎて、こんな性格の人物はそういない。とにかく良い映画なので、おすすめの作品。


6.『新喜劇王』監督:チャウ・シンチー 2020年

大好きなチャウ・シンチーの最新作。小学生の頃に金曜ロードショーで観た『少林サッカー』以来、この人の映画はとにかくギャグが面白いし、王道の暖かみのあるエピソードもしっかり織り交ぜてくれる娯楽映画を作る人、という印象だ。

数年前に公開された『人魚姫』が馬鹿みたく面白く、劇場でも爆笑をかっさらっていた。『西遊記〜はじまりのはじまり〜』はシネコンで大々的に広告が出されていたけど、『人魚姫』以降はシネマート系列で劇場は小規模になり、少し寂しかったり。

今回もシネマートで上映されていたけれど、これがミニシアターあるあるで、"油断していたら上映終了してた"‥見逃した。入れ替わり激しいからね。今回はゲオでレンタル。

この作品はチャウ・シンチーが過去に撮った『喜劇王』という作品を、女性主人公に置き換えて新たに脚本を練った作品という事だ。ただし、『喜劇王』の続編という事でもないし、観ていなくても十分楽しめる作品となっている。

実際にこの作品の世界にも『喜劇王』という映画が存在しており、主人公とその仲間が台本を暗記しているという場面が冒頭にある。

映画女優になる夢を持つ女性ユー・モンは、ずっとエキストラとしてしか使われていなかったけど、顔を手術した事により「白雪姫」に出演する権利を得る。けれど、そこで出会う白雪姫役の"俳優"が、かつてはスターだったけど今では落ち目の癖の強い奴で‥。

チャウ・シンチーの得意のバカげたギャグは少なく笑いという意味では爆発力はないけれど、お決まりの人間味ある暖かさは健在。なんだかんだ言って、主人公の親の優しさにグッときてしまった。

落ち目の俳優、スターを目指す女優の対比も良く、この2人が出会う事で運命が変わって行く構成も上手い。ただこれを観て思ったのは、"運も実力の内"なのかな〜とも思ったし、諦めなければ叶うという、諦めきれない人の背中を押してくれる物語だった。

努力すれば必ず成功する!とは思わないけど、努力した人だけが成功する!と改めて思った。


今回はこれでおしまい

こんなにまとめて感想を書いたのは初めてで、思ったより長くなってしまったような気がする。

皆さんのおすすめの映画も教えていただきたいです、ぜひコメントで教えてください。探して見つかるものであれば、すぐに観ます。

Twitterは文字数の制限があるから感想は書きづらいけど、ブログ方式なら長々と書けて楽しい。

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