シェア
のはらみさと
2022年8月3日 09:33
【小説を書くこと】小説を書くとき、私の体は楽器になる。プロットはさしずめ、楽譜だ。その楽器が奏でるメロディにのせて、詠うように愛を語ろう。今書いているのは、孤独な幼年期を耐えるために、団地に理想の世界を投影させて逃げ込んでいた少女が、大人になって団地管理事務所で職に就く、という書き出しから始まる。現実は、少女の理想とは大きくかけ離れていたのだけれど、彼女の特性が、ひとりの入居者の心