【取材した怪談218】彷徨う叫び
男性K氏が二十代の夏、兵庫県内のラブホテルに彼女と車で赴いた。彼はTシャツに短パンでサンダルの出で立ちだった。受付で■■号室を選び、エレベーターに乗って上階に上がり、その部屋に入室した。洗練されたシックなデザインの部屋で、ベッド、ソファ、テーブル、テレビが並べてあった。
部屋を真っ暗にしてソファに並んで座り、彼女と甘い雰囲気を愉しんでいた、その時──。
おおおおぅおおおおぅおおお
彼らの後方から、中年男性の断末魔のような声が接近してきた。その声の塊は二人の間を通り抜け、