マガジンのカバー画像

取材した怪談

230
私が取材した心霊的・不可思議現象の話です。
運営しているクリエイター

#私の不思議体験

【取材した怪談話128】暗黒空間と骸

女性Kさんに文章取材した話。ご本人の文章をベースにご紹介します。探検要素を含むため、臨場感を維持するためです。文中のイラストも全て彼女の作図。立体感のあるイラストを描いていただいたため、文章とともにKさんの探検を追体験いただければ幸いです。 ・・・ 私が中学一年生の話です。約三十三年前かと。 ある日曜日、同じクラスの女友達と、彼女の家の近くで遊ぶことになりました。当時住んでいたのは、兵庫県A市です。何をして遊ぶか? そしたら、近所に空き家になった団地がある、というので行っ

【実話怪談51】虫の知らせ

女性Uさんが大学生だったころ。 彼女は地方から上京して一人暮らしをしていた。 ある日の昼間、自宅でテレビを視聴していたとき。 急に、(父親に何かあったのではないか)と強烈な不安感に襲われる。 と同時に涙がぽろぽろ流れはじめ、次第に溢れて止まらなくなった。 観ていた番組がきっかけでもない。 いままでこんな経験はない。 訳が分からない。 実家に電話した。 「仕事で怪我して、頭を数針縫った。心配をかけるから連絡しなかった」と父親に言われた。 幸い、命に別状はなかったという。

【実話怪談49】霊道の歌声

「私、まったく霊感がないんです」という女性Kさん。実話怪談47~50は全て彼女が体験した話だ。各エピソードは独立している。 十八年ぐらい前、都内の二階建て一軒家に家族で引っ越した。築数十年の家屋だ。Kさんは二階の一室を自分の部屋として割り当てられた。この部屋で暮らし始めてから、奇妙な現象に遭遇し始めたという。のちに、この部屋には霊道(霊の通り道)が通っていることが判明した。 ・・・ 「夜中の三時ごろに『賛美歌』が聞こえてきました」 当時大学生だったKさんが二段ベッドの

【実話怪談41】嚙む場所

男性Aさんが引っ越した庭付きの一軒家には、一匹の野良猫がよく現れる。白と黒のぶち柄で、恰幅の良い雄猫だ。庭にトコトコ歩いて入ってくるため、よく可愛がっていた。 人懐こい猫だが、たまにAさんの脚の脛(すね)を噛んでくることがあった。噛むといっても出血するほどではなく、瞬間的な痛みを覚える程度だそうだ。 最初は気にしなかったが、ある規則性に気が付いた。噛まれるのは、自宅の庭のある特定の地点に彼が立っていたり、歩いたりするときだけだった。 気になったAさんがその土地に関して調

【実話怪談39】父親の痣

実話怪談37~40は、すべて女性Lさんに伺った話である。各エピソードは独立している。 Lさんの父親が50歳のとき、彼の母親(Lさんの祖母)が他界した。 その翌朝。 彼は顔を洗おうとして洗面台に立って、水道の蛇口をひねり、水を両手で掬おうとしたときだ。 自分の左腕を見て、ぎょっとした。 左腕の内側に、大きな赤黒い痣(あざ)が浮き出ている。 その痣は、等間隔で3つ現れていた。 痣は細い線状で、それぞれが片仮名の文字に見える。 文字は、太さ1~1.5ミリ程度、一文字の大き

【実話怪談34】UFO?(画像あり)

以下の写真を見てほしい。 撮影者:ai氏(個人ブログ) 撮影日時:2019年7月、19時頃 撮影場所:東京都内 撮影機種:iphone 8 写真中央に月が写っている。 その左上に青白い台形と、さらにその右上に3つの青白い球状の発光体が確認できる。後者の3つは正三角形の配置を取っている。 興味深い点は、「月を撮ろう」と思って撮られた写真であることだ。撮影時にスマホを上空にかざした時には、発光体は視界になかったという。あとで画像を確認したら写りこんでいたそうだ。 私が写真

【実話怪談25】筑波山②(茨城)

※「筑波山①」と同じ筑波山が舞台ですが、別人の話です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 大学生A君は夏休みの夜、友人2人と茨城の筑波山にドライブに行った。友達が運転し、A君は助手席に座り、もうひとりの友人は後部座席に座っていた。 誰も道を知らなかったため、カーナビに適当な山上の目的地を入力して、指示に従って進んでいく。男子学生が3人揃えば、車中では他愛のないバカ話に花が咲くのは必至だった。 しかし、ナビに従っているにもかかわらず、行き止まりに着いてしまい、停車を余儀

【実話怪談22】短期と長期

どん、どんッ。 将寿さんが中学二年のときの夏休み。夜一時半ごろに自宅二階の自室で寝転がってテレビ番組に興じていたとき、部屋の窓を叩く音が聞こえた気がした。 ここは二階。ベランダもない。聞き違いだろ。そう思い直し、再びテレビに目を向ける。 どん、どんッ。 また、同じ音だ。 明らかに、人間の握り拳で意図的に窓を叩く音である。ノックの強さではなく、拳全体で強めに叩いているのが伝わってきた。 彼は戦慄した。テレビの音声が耳に入ってこない。そして。 どん、どんッ。 三度