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私に一目惚れって冗談ですよね? 3

母上の侍女達につかまり、久々に王女様らしいドレス姿にされたエリザベスであるが…

コルセットで締め付けられて息が止まりそうで顔色が青ざめてきている。

「エリー駄目じゃないの…コルセットは慣れよ!いつも楽な服装しかしないからコルセットが苦しいのよ?」

「母上…コルセット緩めてくれないなら…もう研究室に帰りますから!何ならこの国から出て行きます!」

エリーの本気を察してコルセットを緩める事を許してくれた母上だが…

王族特有の厳しい花嫁修業…

しかも短期集中スパルタコースは今始まったばかり!

エリザベスは厳しい母&そのうちうん十年の大ベテラン先生の指導に耐えられるのか…

最初の授業は…

エリザベスの大嫌いなダンスレッスンから…

相手役は…逃げようとしたが無理に連れてこられた王太子である。

「エリー出来れば私の足を踏まないでくれよ?」

「何よ…痛みは魔法で直すから心配しないで?先に身体強化もかけておく?」

エリーよ…

その魔法の使い方は嬉しくないぞ?ダンスが上手くなる魔法は無いのか?と心の中で呟く弱気な兄である。

王太子は、母である王妃には逆らえないのである。

「さぁ…音楽が鳴ったらスタートですからね?私と王妃様が見本のダンスを踊りますからエリザベス様は王妃様のダンスをしっかり見ていて下さいね?

殿下はエリザベス様が踊りやすいように上手くサポートして頂いて宜しいですか?」

「「はい!先生」」

エリザベスは諦めてふたりの踊る様子を真剣に見つめているのだが…

だんだんと眠くなってきた。

「兄上…もう我慢出来ない…終わりそうになったら起こして…」と見た目は起きているように魔法で見せかけて寝てしまった。

エリザベスの花嫁修業は前途多難なようだ。

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