名前検索　Chapter9

「まさかあんなことするなんて」



Ｋ子は本当に凄かった
有言実行
人生一貫して
真っ直ぐ生きていた

彼女の近況を知って
これまでの自分が生きてきた
いい加減な人生を恥ずかしくさえ感じた

そんなＫ子を知り
当時の決断が彼女にとって
良かったのかそうではなかったか
考えても答えのでないようなことがどうしても頭をめぐる

そして
どうしても話がしたくなった

子供の頃から人に声をかけたり
なにか始めるのができなかった
この私が
自分でも信じられない事をしてしまう

自分でしたのに
その意識がないまま
手元のスマホ画面に気がつけば
Ｋ子の勤め先の電話番号があり
それも発信中の表示

私ひとりしかいない仕事場で
コール音が鳴り響く

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