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寂光

令和四年十一月十五日(火) 4:43
 いつまで経っても空は空だし、雲は雲だ。だから過去さえ過去として、ここから再出発せねばなるまい。
 愛する人は往ったのだから。それは事実として認めてあげねば可哀想だ。あの子は必死に戦ったのだ。血に塗れて戦ったのだ。戦士には休息が必要だ。永い永い休息が。
 どうか安らかに、君の魂よ遠く還れ。あの穏やかな笑顔のままで、思い出のうちに還れ。
 私はここから再出発だ。君と話しているうちに、君に見出した耀かしい寂光を、私は私の言葉のみで見つけ出さなければならない。
 星のようでもありながら、蝋燭の青い火のようでもある。はたまた夜露のひと雫のように、自ら輝かぬものやも知れぬ。どちらにせよ、私の心を赫く照らしたあの光を、私は探しに行こうと思う。それが私のこれからの、生きる指針だと信じているから。

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