機械になった日 それでも私でいられた
何も考えず、感情も持たず、ただテレアポしていた。サボってはいない。ただ、機械のように読み、質問に答える。それだけ。
それだけはしたくなかった。
感情を押し殺して、機械のように何かをし続けるなんて、私が絶対にやってはいけないことだった。自分の大切な感性を殺してしまうような気がした。全てに対して鈍くなり、それがまた自分を傷つけてしまうから。
帰り道にあるかつてのバイト先の居酒屋さんに、いつもの常連さんの背中が見えた。ここでの日常が、私が居なくなった後も続いていた。そのことにすごく安心した。あの素敵な空間が今日もあることに、ただ安心した。
と思ったら、久しぶりに夜空に浮かぶ星が目に付いた。4年前はキラキラした目で見ていた星。やっぱり綺麗だと思った。
風が吹いた。春の夜、昼と違ってひんやりする。つめたい風なのに春の終わりを感じる。春の終わりの切なさと同時に夏の予感のする今、春の夜がもしかしたら一番好きかもしれない。はらりと舞う桜の花びらもまたいい。
家に帰ると、いつもの日常がある。実家暮らしは本当にありがたい。美味しいあたたかいご飯が待っている。母に話しまくる。母のご飯が好き。楽しそうに作ってる時の話をしてくれるからかもしれない。
私の感性、まだ死んでなかった。
そのことにほっとした。
大切に大切に、守っていないとすぐに使い方を忘れてしまう。
この感性を失くす前に、仕事を辞めないと。
その気持ちが急かす。
大学院をやめたもの
1ヶ月半の就活も
ぜんぶ、突然の出来事だった。
でも大学院に行かなかった今を後悔はしていない。あそこにい続けても、どこかで私は私じゃなくなっちゃうから。
1ヶ月半の就活も、あの時の全力はできたと思う。その結果がこれなら、仕方ない。部署変更も抗議したのだ。これ以上私できることは無い。
だから、咄嗟の選択だったけれど、後悔は無い。
それでもやっぱり、これ以上仕事を続けることは無理だった。たった数日しか経ってない。もう少しやればきっと慣れる。慣れればそうは思わない。そう、言われてしまうだろう。でもたぶん、そうじゃない。鈍くなる前に感じ取ったその感覚、放っておいて痛い目にあったことが何度もある。そういうのって直感で分かるものもあるよね。
身体はそろそろ悲鳴を上げはじめるだろう。
ふとした瞬間に涙ぐんで、それを無視して仕事し続けるのは、誰にでもあることなのだろうか。
1ヶ月で辞めることが許されような世の中では無い。辞めた人へ浴びせられる冷たい視線もまた怖い。未来の約束も無くなる。でも、未来とか言う前に、今辞めないと、私はまた苦しむ。
私が感じる違和感は上司に全部相談した。
会社の就業規則も見直した。
やっぱりおかしい。
それより、テレアポを1ヶ月以上はもたない。もう無理。
プルルルル…とかける音、保留音も、
聞くだけで吐き気がする。
休憩時間、1日1回はこっそり御手洗に籠って泣く。
泣いて何とか、心が保てる。
通勤電車でもみくちゃにされて、仕事が嫌だからなのか、高校生を思い出すからなのか、なんでかは分からないけど息が荒くなって、危なくなるのを感じる。過呼吸になったらどうしようという恐怖もやってくる。電車の中での過呼吸ほど怖いものは無い。
本当はnoteにこんなこと書きたくないのに、
とか思える今のうちに
彼の話を聞いて笑っていられるうちに
ママのご飯を「おいしい」って食べられるうちに
花を見て、香って、満たされることができるうちに
感性を無くしてしまう前に、辞めよう。
そう決めた。
新卒1ヶ月なんて、これからどうなってしまうんだろうね。
でも生きていたいから、これは私が生き続けるための選択なんだ。
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