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目を閉じた時に浮かぶわたしの姿はわたしが決める 〜彼女が撮る理由Ⅱ〜

どうしても自分に自信がなくなる時がある。
自信を持つためには根拠を欲しがるくせに、コンプレックスは、たった一度の思い込みや誰かの言葉でいとも簡単に抱えてしまえるから。
そんなとき、わたしは自信を取り戻すための根拠を求めてカメラロールのお気に入りフォルダやアルバムを探す。
そこにあるのは、フリーカメラマンの友人が撮ってくれた、笑顔の自分が綺麗に撮られた写真だ。
これがわたしだ、っていう何よりの証拠。
そんな心強い根拠をくれる御守りとして写真を見返す。ナルシストだって笑う人がいるかもしれないけど、自分を好きになれるための御守りをもつことって大切だ。

以前、「彼女が撮る理由」で紹介したフリーカメラマンの友人の写真展に行ってきた。
彼女は「女の子のふとした瞬間の可愛いを切り取る」カメラマン。

写真展は、小さな古着屋さん(販売ではなく古着のレンタルをしていて、会員になると一度に最大4着まで借りることが出来る。それぞれの物語がたっぷり詰まった唯一無二の魅力的すぎる古着が並ぶお店)の壁を借りて展示してあるもので、写真の中のモデルさんは、みんな衣装にその古着屋さんのワンピースを纏っていた。

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彼女の撮るものはいつもTwitterやInstagramの投稿で見ることが多くて、一枚一枚の「写真」として目にすることは新鮮だった。
撮影されたものをデータで保存することが主流になった今、写真を現像するという機会自体が減っている。
だからなおさら、実際に印刷された「写真」はズシリと重みがあった。
大きな紙に引き延ばして印刷するにも技術を要するらしい。彼女のこだわりと愛情がつまった写真が何枚も並ぶ展示スペースは眺めているだけでとても幸せな気分になれた。

実は、この写真の中のモデルになっている友人も一緒に見に行ったのだけど、ふと「写真展が終わった後の写真をどうするか」という話題になり、モデルの彼女は「自分が写っている写真を貰うのはとても嬉しいけど飾るには少し恥ずかしいよね」という話をしていた。
それに対して、「おじいちゃんやおばあちゃんにプレゼントして飾ってもらうのがいいよ。絶対喜ばれるよ。」とカメラマンの彼女が言った。
以前、スマホやパソコンをもたずにデータに触れる機会のない祖父や祖母が「最近、写真を撮ってもなかなか手元で見ることが出来ないから寂しい。思い出は形に残しておきたいのに」と呟いていたのをふと思い出す。
「写真」は自分の御守りになるだけじゃない。
綺麗に撮られてカタチになった「写真」は自分自身じゃなくて家族や周りの人も笑顔にするものなのかととても感銘を受けた。

今日は彼女の被写体にもなってきた。
「ちょっと冒険をして新たな自分を見つける」をテーマに、古着屋さんの服の中から普段絶対選ばないような色や柄の服を、彼女こだわりでチョイスしてもらい、写真を撮る。相変わらず写真に撮られることは苦手だ。レンズが自分に向いているだけで顔がこわばってしまう。けれど、さることながら彼女の「いいよ!めっちゃ可愛い!」という合いの手というか賞賛のシャワーを浴びて恥ずかしくなって笑ってしまううちに、自然な笑顔で笑う瞬間が切り取られる。
彼女が見せてくれた写真のデータの中には、確かにまだ鏡の中で見たことがないような雰囲気で、でも、本当に楽しそうに笑う自分がいる。
新たな御守りがまた一つ出来たなと思った。

それから、とても嬉しいことを聞いた。
以前わたしが彼女について書いた記事を彼女がTwitterで拡散してくれたことをきっかけに、それを読んだ方が「わたしは最近自分が好きになれなくて悩んでいるけど、写真を撮ってもらって、わたしも自分に自信を取り戻したい」と彼女に撮影の依頼をしてくれたのだ。
彼女がいつも言う「自信を持てない女の子に、自分の撮った写真を見て、わたしは可愛いんだと自信を持ってほしい」というコンセプトがちゃんと形になっている結果だった。嬉しくてたまらなくて、2人ですごく喜んだ。

誰だってその目にフィルターを持っている。
そのフィルターはとても気分屋でその時の感情や状況や天気なんかでコロコロと変わるものだ。
特に周りからの情報にはとにかく弱い。
だから、途端にインフルエンサーという言葉や立場が生まれて、この社会で大きな意味を持つようになった。
だって、特に気に溜めていなかった女の子でも、何人もの人が可愛いと褒めていたら途端に可愛く見えて気になりだした、なんて経験ある誰にだってあるはずだ。
「可愛い」や「素敵」の感覚なんて簡単にコロコロと変わってしまう。
私たちは毎日、そんな秋の空のように気まぐれなフィルターのコンタクトレンズで周りの人たちを、そして鏡に映る自分を見ている。
いくら鏡を見つめても、周りから見た自分の姿なんて決して知ることなんて出来ない。

それなら、いつだって自分の姿は自分で決められる。
わたしらしさ。わたしの魅力。それはきっと"わたし"がいちばん知っていて、信じるべきものなんだ。
だからこそ、自信を失ったとき、自分が写るお気に入りの写真からパワーをもらえるはずだ。
目を閉じた時に浮かぶ自分の姿はどんな姿だろうか。
コンプレックスが拡大して映されていないか。霧がかかっていないか。そして、ちゃんと両目ではっきりと見つめて、
大丈夫。これがわたしだ。そんな自分が好きだ。と言えたなら、それは最高に幸せだと思っている。

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写真展→「君と僕とワンピース展」
会場: Fukumochivintage
https://fukumochivintage.tumblr.com/

フリーカメラマンとして趣味でカメラをやっている彼女。チャレンジ精神旺盛で、オリジナル写真集を作ったり、色々なカメラのイベントに参加したりと、精力的に活動しながらどんどん技術を磨いています。初対面の人ともすぐに仲良くなれる彼女だからこその強み。
現在、相互無料で撮ったり撮られたりをしていて、被写体を募集中!!
Twitter→@meisui_photo
https://twitter.com/meisui_photo

Instagram→
https://instagram.com/mei_sui_?igshid=102h2fqyhojh2

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