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藍眞澄
2023年9月13日 08:42
笛の音があたりの空気を引き裂きこの世からあの世へと橋をかけて秋の祭りは始まるのですこの世の人たちが実った稲穂をその土地に住む神さまに捧げあの世ではこの世から移り住んだ人たちが稲を育んだ人々をねぎらっています太鼓の音があの世の人たちがちゃんと生きているのを伝え「ほらみんなの鼓動が聞こえるでしょう」あの世の人たちがこの世の人たちにささやく声であふれます田畑が
2023年7月18日 07:17
山端に人々の生活はきちんとした規則を保ちながら小さな息づかいを滲ませるさらに高くさらに高く伸びられるのを疑うこともなく稲たちが日の光だけを見つめているうっすらと空に溶け合う妙高山の手前家々さえ飲み込むように田畑が勢いを増すくびき野の夏熱い日差しを全て身に蓄え 栄養に変えやがて黄金色に変わる日をゆっくりと待ち始める
2023年5月10日 08:42
山肌に馬が見えたら種まきの季節昔からの言い伝えだ数日したら田おこしが始まる赤茶けた田畑の下でじっと冬を耐えた思いたちが目覚め始める家路につく夕暮れふと自転車を停める私の影が固い土を割って生えた雑草の上にふんわりと落ちるやがてふさふさとした稲がひしめき合って日の光に手を伸ばし始める一枚一枚の葉先に光を集めて稲たちは良いモノだけを身体に貯めやがて黄金色の光に変えるだ
2023年2月10日 08:41
遠く妙高山のふもとまで田畑は続いていた誰も足を踏み入れる事のできない純白が世界の片隅まで覆いつくし沈黙しているすべて生き物の気配はどこにもなかった凍てつく寒さが辺りの空気を研ぎ澄ます研ぎ澄まされた空気が誰も汚すことを許されない雪原をさらに白く世界の色を奪っているいろんな色が集まって白い光になるのだ白い光は無数の色を含み色を消していく田畑は白い光の下で 重みにじっ