拝啓 死にたがりの君に
拝啓 死にたがりの君に
死のうとした君に、死ねなかった君に、ふと言葉をかけてあげたくなりました。
初めは高校3年生、6階のベランダ柵に足を掛けていました。今なら楽になれる、そう感じたんでしょう。その思考が恐ろしく、その可能性を必死に消し去ろうとしました。
そして大学3年生、暗い夜が怖かった。ただただ、長い長い夜明けで1人で狭い箱で丸まってました。君は後では信じられない量の薬を飲みました。そして、自分で助けてと言いました。
ばかです。大ばか者です。
ただ、死ねなかったことに絶望などしないで。
最終的に生きたがったのが君の選択です。
その選択に深く感謝します。ありがとう。
君は死にたがりの生きたがりです。
君は死にたいです。認めましょう。
君は自身が憎いです。仕方ありません。
でも、そんな君は、自身の身の周りをとても大事に思っています。
あの日あの時、狭い箱にいたように感じたけど、顔を上げればドアがあります。
他人でも心配してくれる人はいます。
私を必死に守ろうと考え、行動してくれる人がいます。夜は明けます。
そのことに今更気づいた君は大ばか者です。
ただただ怖かったね、大丈夫、大丈夫だから。
顔に触れて、生きてることを理解して、
何回も気づき直してください。
それが君が嫌いな君にできる、周りへの孝行です。
君を高校3年生の時救った曲に、今も救われています。何も変わっちゃいません。
まだ、生きたがりの私には撮りたい写真があって、一緒に笑いたい人がいて、話したいことがあって、見たい景色があるんです。
死にたがりの君を否定しないから、死にたいと思い続けていいから、生きたがりの私も否定しないで我儘を聞いてやって。
いつかの死にたがりの君に備忘録。
敬具 生きたがりの私より
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