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27皿目 “カレーポットでいただく上品な一皿” 大重亭 富山店|元気の出るカツカレー


取材で日本全国を飛び回っている編集チームの一員・T郎が、旅先で食べたカツカレーをゆるーく紹介していきます。ご当地ものや地元の名物というわけではありませんが、いつも頼んでしまうのがカツカレー。旅先で食べるカツカレーは、旅の開放感が背中を押す「ちょっとした贅沢」であり、旅の続きを楽しむための活力の源なのです。




富山県下で漁獲高1位を誇る氷見漁港
富山県下で漁獲高1位を誇る氷見漁港
富山県下で漁獲高1位を誇る氷見漁港
訪れたのは2023年秋、活気に溢れています
富山県下で漁獲高1位を誇る氷見漁港
業務が復旧しているとよいのですが


冬には寒ブリで知られる氷見漁港。富山県では漁獲高一位を誇っています。取材に訪れたのは2023年秋で、これから訪れる、海の幸の美味しい季節に期待が高まっているという感じでした。能登半島地震では、氷見漁港近辺も液状化などの被害があったようです。少しでも早く通常通りに復旧できるといいですね。そのときには必ずまだ出かけていって、美味しいものをたくさん食べることで地元の復興に貢献したいと思っています。

さて、この日の宿泊は富山市でした。取材で訪れた先でも海の幸をいただくことが多く、もちろんどれも美味しいのですが「そろそろ洋食……」「そろそろ肉を……」と思うのが自然な流れ。素直な舌とお腹なのです。そして白羽の矢が立ったのが、高岡市に本店を構える老舗洋食店、大重亭です。

1948年創業、一度は閉店したこともあったそうですが、2015年に再オープンしたとのこと。富山店はDAIJUTEI SHOKUDOとしてデパートの中で営業しています。

大重亭のシックで上品な店内
シックで上品な店内


ハンバーグが一番人気で、濃厚そうなデミグラスソースや、絶妙な焼き加減のステーキ、大きなエビフライとのセットなどにもひかれましたが、ぐっとこらえてカツカレーを注文。正式名は「能登豚ポークカツ欧風ブラックカレー」。
カレーの種類は豊富で、他にも有頭エビフライ、カニクリームコロッケ、ビーフステーキなどのバリエーションがありました。どれもルーは「欧風ブラックカレー」です。

メニューによれば、「クミン、コリアンダー、ターメリック、カエンペッパーなど数種類のスパイスをオリジナルブレンドで仕上げたブラックカレー」とのこと。
写真でみるかぎり、艶のある漆黒のカレーは気品さえ感じられます。僕は東京千代田区の神保町にあるキッチン南海をはじめ、黒いカレーが大好きなので否が応でも期待が高まります。

大重亭のカツカレー


数分後、やってきたのは期待通りにカレーポット(ルーを入れる、あの銀色の容器)に入った真っ黒なカレーと、こんがりと揚がったポークカツ! 見た目は文句なしの100点です。

ちなみにカレーポットはソースポットとも呼ばれますが、もともとはグレイビーソースを入れるための「グレイビーボート」という食器で、イギリス発祥なのだそうです。

大重亭のカツカレー
口に入れる前から、サクサクであることがわかります
大重亭のカツカレー


カレーポットから、やたらと丸いスプーンで恭しくカレーをかける儀式。かけ方に食べる側のセンスが問われます。どうですか、けっこう、うまく行った方じゃないでしょうか。

お味の方ももちろん大満足。洋食屋さんの欧風カレーは、作り方がデミグラスソースに近いものがあるんでしょうか。濃厚でありながらマイルドな、スパイシーすぎない美味しいカレーでした。

この“ルーあとがけスタイル”だと、カレーポットに残ったルーをいつどれだけ補充するか問題も頭がいたいところです。3回に分けるのはちょっと度胸がないように思われたら嫌だし、そもそも煩わしい。はじめに全部かけてしまうのもお行儀が悪い気がするし、見た目も美しくありません。せっかくポットに入っているわけですしね。やはり前後半の2回に分けるのが妥当か……。

ということで、2回目の補充でキレイに食べ切って、完食。海の幸のまちで、老舗洋食店のザ・欧風カレーを満喫しました。

大重亭 富山店
富山県富山市総曲輪3-8-6 大和富山店 6F