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12キロのトマトで冬支度

9月から10月にかけて、カナダ・モントリオールのマーケットには最後の夏野菜と旬を迎える秋の野菜や果物が大量に並ぶ。

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通常サイズの他、まとめ買い用の大きなかごには、トマトや赤いパプリカが山盛り。毎年このビタミンカラーに吸い寄せられる。

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りんごは日本よりも種類が豊富かもしれない。小ぶりなので、そのままかぶりつくのが最高!小腹が空いた時、罪悪感を感じることなく食べられる。

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この時期、まとめ買いして家で保存食をつくる人が多い。
イタリア系の人たちは、家族でトマトソースの下ごしらえをする。バジルはペーストにして小分けしてから冷凍。スープに入れると美味しいらしい。
ポルトガル系のマダムは、赤パプリカをオーブンで焼いて皮を剥き、冷凍しておく。パエリアに欠かせないといっていた。
りんごはアップルパイが最高だけど、ジャムやコンポートにしておけば使い勝手がいい。

今年は農場直販、12キロのイタリアントマトを買った。これらを全てソースにして瓶詰めに。涼しいところにおいておけば半年は十分に持つ。
もちろん、冬でも市販のトマト缶は手軽に買える。けれど、ひと手間加えた自家製保存食は、トマトを育てた人たち、そのトマトでソースにする私の想いと、地元の土で育ったトマトの命が混ざり合う。瓶の中にあるトマトのエネルギーは、次の収穫期が来るまで私の心身を支えてくれる。

北国の長く厳しい冬の間、夏の思い出を食卓に並べる。旨みがぎっしりつまった赤いソースを味わいながら、やがてやってくる小さな春を待ちわびる。
なんとも幸せな瞬間だ。



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