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子育てと自己肯定感

こんにちは、モンブランひとみです。

ここ数年、「自己肯定感」という言葉をよく見聞きするようになりました。
大学病院の精神科で看護師をしていた頃も、自己肯定感について考えさせられることがたくさんありました。

今は子育てにおいても大きなテーマだと感じています。
我が子を「自己肯定感の高い子に育てたい」と思う方は多いのではないでしょうか。私もそう思いながら子育てをしています。


我が子に幸せな人生を歩んで欲しい。


それは全ての親に共通する願いです。
子供たちの未来を考えながら、今回は親である私たち自身についても振り返ってみませんか?

 ●自己肯定感ってなんだろう?
 ●自己肯定感って高い方がいいの?
 ●自己肯定感を高くするためにはどうしたらよい?
 ●自分に自信がなくいつも誰かと比べてしまう

そんな人にもヒントになるお話です。

1.自己肯定感ってなに?

そもそも自己肯定感ってなんなのか。

「自己肯定感が高い」と、キラキラしていて人生楽しそうで、自信満々。
「自己肯定感が低い」と、自分に自信がなくいつも不安で、優柔不断。

そんな姿を想像するのではないでしょうか。

自己肯定感というのは、「自分を認める力が高い状態」のこと。

自己肯定感の高さは、新しいことに果敢にチャレンジする原動力になるし、自信に満ち溢れているように見えたりもします。

が、本来の言葉の意味としては
 キラキラ自信満々うぇーい!
な状態を指すわけじゃないんです。

not パーリィピーポー

最近は言葉が一人歩きして、新興宗教よろしく
「自己肯定感が低い人は幸せになれないから〇〇をやりなさい」という脅し文句にもなったり。

そんな現状に少し違和感を感じています。

2.自己肯定感は「自己受容」

自己肯定感は「自己受容」と言い換えられます。


「自己受容」とは
 ●今の自分を、そのまま許していること
 ●自分を認めていること
 ●自分を受け入れていること

自己受容(=自己肯定感)は
「自分は自分なんだ」と良い意味で諦めることです。
ありのままの自分をそのまま受け入れている状態。

例え自己肯定感が低くても、自信のない自分もそのまま受け入れられれば自己受容できています。

自己肯定感は、低いから駄目!高いから良い!というものではないんです。

3.自己受容の反対は「自己否定」

【自己肯定感=自己受容】だとして…
自己受容の反対は「自己否定」です。

「自己否定」とは
 ●今の自分を、許せていない
 ●自分を認められていない
 ●自分を受け入れられてない

今のままの自分はダメだと否定していること。

ではなぜ自己否定してしまうのか…

自己肯定感が低いことで悩んでいる人は、真面目な人がほとんどです。

真面目だから、周囲の人の望む姿になろうとしたり、期待に応えようと頑張ってきた。
だけど認められた経験が少なかった。
あるいは褒められたけれど「自分はこれで良いんだろうか」と悩んできた。


もっと遡ると…


自分の望みより、親の望みを叶える人生を歩んできたのかもしれません。 

頑張ったのに、自分が希望したような反応を得られなかったり。
自分が望んでいないことを頑張ることに、虚しさを感じたり。


自己否定の癖がある人は、「自分で決めて、自分でやり遂げた体験」が少ない場合が多いです。

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4.自己否定しながら子育てをする危険性

私も親の望みと自分の望みの境目がわからなくなっていた時期がありました。

教育熱心な親に褒められたくて学校の勉強を頑張り、褒められたくて90点のテストを見せたら「なんで残りの10点が取れなかったのか」と怒られたり。

良い学校に入ることが成功だと言われて受験勉強しても、それが自分の心から生まれた目標じゃないからどこかで虚しさを感じていました。


子供は親に愛されたいと思っています。
これは本能です。

だから親の願望を敏感に察知するし、
親の望む姿になって愛されようとします。

それが自然です。
そして子供は素直に・健気に行動します。


「子供には幸せになって欲しいから〇〇できるようになって欲しい」

親が子供の幸せを願うのは当然です。


でもそれが親のコンプレックスの押し付けになっていませんか?


子供が小さいうちは見て見ぬふりをしながら親に素直に従います。
でもある時ふと気が付く。

「これって自分のため?親のため?」

その時、子供は本当の自分がわからなくなります。

子供を「自己肯定感の高い子に育ててあげたい」と考えている人もまた、真面目な人だと思います。

でもそれが「自分は自己肯定感が低いから、子供には自己肯定感の高い子になって欲しい」という意味なら、少し立ち止まって。

自分の望みの押し付けになってませんか?
親にされて苦しかったことを繰り返そうとしていませんか?


そして…
自己肯定感を高くしたいのは、親であるあなた自身ではないですか?
もしそうならば、自己否定を手放し、まずは自分の自己肯定感を取り戻しましょう。

5.自分を大切にするから人を大切にできる

自己肯定感は、自分を尊い存在と思える感覚です。

そして自分を大切にしているから、他の人を同じように大切にできる。
自分を差し置いて誰かだけを満たすことはとても難しい。

誰かに優しくしたいなら、まずは自分に優しくする。

自己肯定感は他人を受け止めるための土台
です。

【シャンパンタワーの法則】
何段にもグラスを重ねたシャンパンタワー。

一番上のグラスが自分の心。
下の段には子供や家族の心のグラス。

子供の心を愛情で満たしたいときは、
まず一番上にある自分の心のグラスをいっぱいにする。
するとグラスから溢れた愛情が、下の段のグラスにも降りていく。

子供を満たすために、まずは自分を満たしてあげることが必要です。

6.自己肯定感を取り戻す

どうすれば自己否定を辞めて、自己肯定感を取り戻せるのか。
3つのポイントをお伝えします。


①誰かと比べることを辞める
以前のnoteで育児に「正解」がないことを書きました。

自己肯定感を取り戻すための「誰にでも当てはまる正解」はありません。
世の中は正解や答えがないことばかりです。
育児に限らず「答えがないことを受け入れる」ことも心の修行だと思ってます。

逆に言うと、正解がないからこそすべてが正解なんです。

そして「自分はこれで合ってるんだ」と思えるためにはまずは誰かと比較することを辞めること。
人と比べずに、「自分はこれでいいのか」と自分の心に耳を傾けることを意識してみてください。

②自分で決めたことをやり遂げてみる
次に、自分で決めたことをやり遂げてみてください。

誰に言われたわけでもなく、やってみたいと思ったことをやってみる。
誰に止められてもやり抜いてみる。

その結果がどうかは別として、自分で決めたことをやり遂げられた時、きっと自分への信頼感がググっと上がっています。

③自分が認められているという実感を得る
子供や家族との時間を通して「自分の存在が認められているという感覚」に意識を向けてみてください。

子供は親に無条件の愛を向けてくれています。
自信のない自分だけれど、目の前の子供はこんなにも自分を求めてくれている。

そのことをいま一度、深く、心の中で味わってみてください。

7.最後に

自分を見つめなおし、新しい価値観を作ることはとてもしんどい作業です。
自分が無くなってしまうような不安に駆られます。

でも空っぽになっても無くならなかったものだけが本当の自分です。

子育ては人生の学び直し。
今までの人生で学び残した課題とぶち当たります。
それは子供に与えてもらったチャンスでもある。

少しずつでいい。
子供とともに親も成長していきましょう。

とことん自分と向き合うことから全てが始まります。
このnoteがそのきっかけになれたら幸いです。

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