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子供が『発達障害』だった時に絶望しなくていい3つの理由

こんにちは、モンブランひとみです。
私の息子は2歳2ヶ月の時に広汎性発達障害の診断を受けました。いわゆる発達障害です。

子供が発達障害だと知った時、親はショックを受けます。衝撃を受けない人はいないはず。

精神科の看護師として大人や子供の発達障害を診てきた私も、診断を受けた時は「やっぱりかー」という感覚でした。

でもそれ以上でもそれ以下でもなく

 ・発達障害とどう上手く付き合っていくか
 ・子供の得意・個性をどう伸ばすか
 ・子供の不得意をどうやって一緒に練習するか


を考えて現在に至ります。

今は「障害児の親になってしまった、どうしよう」という葛藤はほとんどありません。

そう思える理由は、仕事で発達障害の人をたくさん診てきたことや、家族や友人にも発達特性のある人が多くいたこと、また彼らが苦手と上手く付き合いながら社会適応している姿を間近で見てきたことが影響していると思います。

今回はそんな経験から
 『我が子が発達障害だとわかった時に絶望しなくていい3つの理由』をお伝えします。

①診断がつく前と後で子供は何も変わらない

発達障害の診断があってもなくても、子供は何も変わりません。

これはまず大前提にお伝えします。
発達障害の診断がついたからといって、子供は何一つ変わらないです。療育センターや児童精神科で診断を受けたその瞬間も、その前もその後も、我が子はそれまでの我が子のままです。

行動の特徴から『発達障害』の診断がつくけれど、子供はあるがまま、今まで通りです。

『障害受容』という言葉を聞くととても大がかりで大変なことのように感じますが、“ありのままの我が子をまるっと受け止める”それだけなんです。

それは発達障害であっても、健常発達であっても、全ての育児において同じことなんですよね。


診断は子供の行動の理由を知るための、取扱説明書です。でもそれは子供を理解するためのひとつの目安でしかありません。


我が子は何も変わらない。


まずはその事実を受け止めてあげて欲しいです。

②診断は大人になる前にわかる方がいい

看護師をしていた頃、大人の発達障害の方をたくさん見てきました。発達障害の検査目的で入院する患者さんもたくさんいました。みなさん長い予約待ちの末の検査入院でした。

そこで発達障害の診断がついた患者さんたちの多くが、ホッとしたり安心して帰って行く姿が印象的でした。


「これまで感じていた生きづらさの理由がわかって安心した」と言われる方がとても多かった。それと同時に「もっと早くに知りたかった」という言葉もたくさん聞かれました。

発達障害ゆえの行動の特徴(=特性)で、時には社会の中で劣等感を抱いたり、傷付いてしまうことがあります。

それが積み重なると自尊心が低下したり、社会生活が怖くなるなどして、うつ病になったり、ひきこもりになることがあります。いわゆる発達障害の二次障害です。

患者さんの多くが、二次障害に苦しんだ先で、発達障害であることを疑って検査にたどり着いていました。

発達障害を早い時期から知ることで、特性ゆえの失敗で自尊心を傷つけるタイミングを減らすことができ、二次障害を防ぐこともできます。

発達障害の特性をわかっていれば、特性と上手に付き合う方法も経験でわかっていきます。

大人になるにつれて発達障害の特性がわかりづらくなる理由はこれです。
経験を積むことで特性との付き合い方が上手になり、結果的に発達障害ということが傍目からわかりにくくなります。
※ただし周りから見えなくても、本人の中では困りごとを抱えている場合もあります

早い段階から診断を受けることは、生きやすさにも繋がります。

③診断がつけば福祉サービスを受けることができる

発達障害支援のための福祉サービスを受けられることは診断を受ける大きなメリットです。

具体的には、療育センター、児童発達支援事業、放課後デイサービス、言語療法(ST)、作業療法(OT)、理学療法(PT)などがあります。

それらを使うことで以下のようなメリットがあります。

⚫︎特性の付き合い方・向き合い方が学べる
⚫︎自己肯定感を高める(下げない)関わりをしてくれる
⚫︎社会適応の練習ができる
⚫︎安心して過ごせる居場所が持てる
⚫︎専門家に見てもらえる安心感がある

事業所によってはペアレントトレーニングなど、療育者である親への支援もあります。
支援に繋がれば、家庭だけで問題を抱え込まなくていいんです。

親は安心して相談できる場所があることで心が落ち着きます。心に余裕ができ、子供の言動に一喜一憂するタイミングも減り、結果的に子供の情緒も安定します。

サポートを受けつつ、子供も親も健やかに育っていく。
その入り口として福祉サービスがあります。


以上が子供が『発達障害』だった時に絶望しなくていい3つの理由です。

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発達障害はなぜ増えているのか?

発達障害の診断を受ける人(子供)は年々増えてきています。その理由のひとつは、発達障害という言葉が広まったことで診断に辿り着く人が増えたことです。

障害福祉は、「診断と支援はセット」という考え方が基本です。

障害を支援する社会福祉サービスが増え、支援する体制が整ったことで、診断名を付ける理由ができたのです。
発達障害の診断は、診断を付けることが目的ではなく、支援に繋げることが目的なんです。

誤解を恐れずに言えば、支援に繋がらない診断は生きづらさを助長することもあります。余計な偏見を生んだり、本人と家族の葛藤が激しくなったり。

だから福祉サービスが充実した(=サポート体制が整った)現代だからこそ、診断をつけてあげられるようになったんです。

発達障害は現代の病気なのではなく、「現代になってやっと日の目を浴びられるようになった」のです。

障害への無理解で苦しむ人を減らすことができる時代になりました。

発達障害の子をどう育てていくか?

低年齢で診断がつき、小さいうちからサポートを受けられる子が増えました。

彼らは発達障害に伴う苦手はあるけれど、元来持っている得意もあります。人は必ず強みとなる部分を持っています。

苦手な部分は練習し、得意な部分は伸ばすことで、得意が苦手をカバーすることもできます。

また生き方・働き方も多様になってきた現代。
選択肢の多い時代の中で、自分の得意を活かしてのびのびと活躍してくれる子が今後増えていくと思います。

発達障害の診断を受けることを、マイナスばかりで捉える必要はありません。

もちろん親ならば子供の将来が心配なるのは当然です。

 ・幼稚園に通えるだろうか
 ・トラブルにならないだろうか
 ・学校は通えるのか
 ・普通級と支援級ってどう違うのか
 ・大学は行けるのか
 ・就職できるのか
 ・もし親が先に死んでしまったら…

悩みは尽きません。

準備や心構えは大切です。
でも「起きるかもしれない不安な出来事」で心を一杯にすると、日々の生活でも疲れてしまいます。

可能性は可能性でしかないんです。
心配な出来事は起こるかもしれないし、起こらないかもしれない。

それならば。
今やるべきことは『仲間集め』です。

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いざという時に相談できる仲間、頼ることができる場所を増やしてください。

それは地域の療育センターでも、児童発達支援事業所のスタッフさんでも、主治医でも、看護師でも、保健師でも、相談員さんでも、同じように発達障害の子を育児するお母さん・お父さんでもいい。

一人でも多く仲間を見つけておくこと。

育児という長い長いRPG (ロールプレイングゲーム)。
それを楽しく生き抜くためにパーティを充実させましょう。

まとめ

発達障害の子を育てていく中で大切なことは

 ①養育者である大人がレッテルを貼ることなく、
  子供の個性を育むこと

 ②支援に繋げて子育てを伴走してくれる仲間
  を見つけること

 ③困ったことが起きた時・心配なことがある時は
  仲間と一緒に乗り越えていくこと

いま私はTwitterにて発達障害・育児・メンタルヘルスについて発信中しています。
私自身も長い育児を乗り越えるための仲間を募集中です。
ぜひフォローよろしくお願いします。

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