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79. 銀河鉄道の夜を見た夜。

銀河鉄道の夜、のアニメを見た。ネコのやつ。

今年の1つの目標として、いろんな作品を見てみるっていうのがある。まあ目標っていうほどでもないんだけど、いつも好きなものばかりを抱きしめ、噛み締めてしまうから、ちょっと意識していろんなものに触れたりしてみようという試み。なので、最近いろんな人におすすめ作品を聞いたり、自分が気になった作品をメモしたりしてる。その中のひとつが「銀河鉄道の夜」だった。
名前はもちろん知っている。宮沢賢治の作品だってことも。でも活字を読むのがとても苦手なので、具体的にどんなお話かよく知らない。だけど日本人として、ちゃんと知っておいた方がいいだろうと思って、一度見てみたいと思っていた。

アニメ版の銀河鉄道の夜は、主人公もその周りも、みんなネコ。昔シャーロックホームズを犬にしたアニメがあったけど、あんな感じ。そのこと自体は何の違和感もなく進んでいく。
ネコって、あまり表情が変わらない。その余計な飾りのない感じが、生と死を真っ直ぐ見つめる子どもの目らしかった。目の前の人が生きているのか、死んでいるのか、自分は今どこにいるのか、そういう不思議な世界にいても、大袈裟に驚いたり泣き叫んだりせずに、くりっとした目をぱっちり見開いて見てる。なんとなくだけど、お葬式にいる子どもって、あんな感じだなと思った。

夢の中のようなシーンが断片的にいくつも繰り返されるけど、印象に残ったのはさそりの話。そして、沈む船で死を選んだ先生と子どもたちの話。
命の使い方、って表現になるのは、作品が書かれたのが今よりもっと死が身近な世界だったからだろうと思うけど、きっと、本当は今も延長線上にいるんだということを知っておくために、こういう作品が後世に残るんだ。


画質も荒い昔のアニメだけど、星空を見上げるシーンに静けさと広大さがちゃんとあって素敵だった。きっとその前と後に続くシーンも含めて、とても繊細に作られてるんだと思う。
命と、時間と、意志を大切に、生きていけるといい。

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