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71. 日本酒をくいっと飲んだ日。

そういえばこの前、気づいたら日本酒を飲んでた。
普段は大体レモンサワーかゆずサワーをちまちま2,3杯飲んでそのあとはジンジャーエールとかを飲むくらいなのに、いつのまにかおちょこで日本酒飲んでた。くいっと。

もともとお酒が強いとか弱いとかそういうことじゃなくて、学生時代にもそんなにお酒を飲んでなくて、未だにお酒をたくさん飲みたいという欲求が全くない。そもそも飲み物を飲むのが人より遅いのもあって、飲み会中にそんなにたくさんアルコールを摂取しきれない。ゆえにバチボコに酔った、という経験もない。

お酒は大人の娯楽とされてるけど、私はもともと「いろいろ忘れてパーッと騒ごうぜ!」という種類の娯楽にあんまり向いてない人間だと思う。忘れないでいろいろ考えてても、面白いもの。見えてるものから一生懸命面白いこと見つけてお話する方が、大爆笑できちゃったりするもの。だからお酒に酔って楽しいという気持ちが、正直あんまり分かってない。

そういう理性人間からしたら、日本酒とかワインとかはアルコールの独特な苦味を真正面から食らってしまって、とても美味しいなんていえたもんじゃない。どうしても口に含んだ瞬間に、うえーっという顔をしてしまう飲み物だ。
と、思ってたんだけど。


その時飲んだ日本酒の苦味は、さらっとそのまま喉を通り過ぎていった。思った以上に素直に。
たぶんその日本酒が単純に高くて良いお酒だったことや、2軒目だったからそれまでに飲んでたお酒でちょっとふわふわしてたことが大きいと思うけど、とにかく、想像以上にイケてしまった。

あれ、私、いつの間にこんなに大人に。

少し前の私だったら、こうやって自分が大人になっていることを悲しく思ったり寂しく思ったりしていたと思う。でも、そんなことを思う必要もないくらい、さらっとイケてしまったのだ。


苦味を苦味と思わない。それはちょっと自分の器が大きくなったのかもしれないし、逆にちょっとバカになったのかもしれない。

次の朝、二日酔いなんてヤツも体験できるかと思ったけど、全くもってケロッとしていた。自分は思っていたより頑丈でバカなところもあるみたいだ。

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