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賄賂⁉︎小売店ビジネスにおけるリベート(割戻)とは。

「リベート(rebate)」という単語は、「手数料/謝礼金/賄賂」といった意味を持ち、ビジネスにおいては「支払い金額から一部を支払者に返金する」「売上を割り戻しする」といったことを意味します。日本語では割戻(わりもどし)と呼びます。あらかじめ割引するのではなく、支払いの後に割り戻します。日本特有の商習慣でありますが、流通業者とメーカーの間では当たり前のように行われています。

リベートの種類

目的・機能から以下の大きく 3種類に分類しました。
・販売促進を目的としたリベート
・納品価格の見直しのために支払われるリベート
・仕組みやシステムなどに支払われるリベート

販売促進を目的としたリベート(割戻)

固定リベート
相手先と事前に取り決めた割戻率を期間終了時に売上金から相手に戻すこと。

達成リベート
取引数量、取引総額等の事前に取り決めた販売目標の達成度合等に応じて支払われるリ ベート。

固定リベートが取引金額に関わらず必ず支払うのに対し、達成リベートではお互いの取引金額の目標値を定め、達成すると支払うという形を取ります。固定や達成リベートを結ぶメリットは小売店側は明白で、お金が戻ってくることです。メーカーとしては、昔からの慣習で契約している企業も見かけますが、リベートを結ぶことでより小売店と一緒に取り組みができることです。特に達成リベートがある場合はその傾向が強くなります。

≪例≫ 固定リベート
期間:2022年4月1日~2023年3月31日
割戻率:納品金額の2%
納品金額:10,000千円
リベート金額:200千円
※計算方法
10,000千円(納品金額)×2%(割戻率)=200千円(リベート金額)

≪例≫ 達成リベート
目標数値100%の達成で1%のリベート支払い
期間:2022年4月1日~2023年3月31日
目標金額:10,000千円
今年実績:11,000千円(達成率:110%)
リベート金額:110千円
※計算方法
10,000千円(納品金額)×1%(割戻率)=110千円(リベート金額)

割戻と達成リベートと両方結ぶ場合もあります。割戻率や目標値は企業によって様々です。

納品価格の見直しのために支払われるリベート

納品価格の引き下げ時に支払うリベート
メーカーが既に小売店に納品している商品の納品価格を引き下げる際に支払われるリベート。商品の販売不振の場合、小売店は価格を下げて販売するためその分粗利益は下がる。下がる分をメーカーや問屋に値引きとして補填してもらう方法です。

他店との価格差に対し支払われるリベート
競合店が安く販売していたりした際に求められるリベート。以前までは他店との価格差のみを注意しておけば良かったが、オンラインショップの台頭によりオンライン価格に対しても補填を求めてくる小売店も存在します。

※詳しい計算方法はこちらの記事に記載しています。

仕組みやシステムなどに支払われるリベート

伝票の機械化やPOS実績を閲覧できる権限など、先方の仕組みやシステムに対し支払うリベート。あまり頻繁に発生することはないですが、このようなリベートも存在します。

まとめ

リベートは企業間の取引強化、商品の拡販を行うためにも非常に有効な手段です。実際、小売店もA社の商品に魅力を感じても、リベートの兼ね合いからB社の商品を採用するという話は往々にあります。小売店も魅力のある商品を店頭に並べたいが、それ以前に営利企業であるため利益の確保は必須事項です。そのためメーカー側はリベートを上手に活用しながら商売、商品を拡大していくことも重要です。

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