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彼の、行動する言葉

去年、夏の終わり。同じ道をなんども回ってしまった。多分、間違ってないはずなのにグーグルのマップが示してくれた工房がそこにはなかった。駅から3分で到着するはずの工房が、10分、20分、伸びる一方であった。道は、珍しく三角形に分かれ、マップでの工房を示す点はどんどん離れて、まさにどうしようどうしよう状態。残暑のせいで汗は流れ、焦っちゃうし、約束の時間は迫ってくるし、とりあえずフェイシャルテイッシューを出して、顔を拭いて、水を飲んで、空は真青だった。そしてなぜか、不思議なことにすぐそばに可愛らしい青色のミニローバーが止まってあった。白い小鳥が描いてる一目惚れしちゃいそうなミニバン。それがなぜ汗がビショビシになるまで見えなかったのか、いまだに不思議、ミステリーに感じてしまう。クラフトコーラー工房、伊良コーラにやっと会った。

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UPLINKに取材をさせて頂いた時、代表の浅井さんは、伊良コーラの販売を決めて、’コカコーラを売るか、売らないか’でかなり議論をしたとおっしゃった。いわゆるコカコーラ論争。やはり、東京は面白いと思った。その夜、吉祥寺で時間もあまりないのに200円のコカではなく、500円の伊良コーラ買って、ヨセフのドキュメンターりーを見た。映画は、美味しかった。透明なビニルに入ってるオレンジ色のコーラー。200円ではなく、500円分の幸福感。伊良コーラは、祖父の漢方工房のあとを継いで天然惣菜だけを使ってコーラーを作ってる、私より五つ下の小林さんの手作りコーラ。彼は、’今の工房を改装して店兼工房にする予定です’と言ったけど、それが先月末完成されたらしい。記事で見た店の様子はまさに取材当日の彼の生き生きした顔と同じく、清涼感がる、夏の青空を思い出させた。小林は、店の前に’コラ小道’と書かれた表紙版も掛けてくれたけど、私のため?(笑) ただ、今なら、迷子にならないね、と思って笑った。

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取材をして、インタビューをさせて頂いて、たくさんの’これから’を頂いたりする。でも、その次を目にするのは割と少なく、小林のその言葉が実現されたのを確認した時には、まさに’昨日を収穫する今日の素晴らしさ’みたいなものを感じた。私は、彼に多分夏頃には、出版される予定ですよと、言ったけれども、その言葉は行動に繋がるのか。今の日本と韓国の様子を見て、改めて言葉にしておこうとおもた。

ただ、人と人で、十分ではないですか。


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