歯並びのバランス、口元の姿勢

武術研究家のモノノフです。連休中に多くのひとに見ていただいていたみたいで、嬉しいです。読者さんの生活が少しでも良くなればと思っています。

さて、以前の投稿で姿勢と歯並びの関係について書いたのが割と評判がいいようなので、そこを伸ばしていけたらと思っています。姿勢に関する内容は武術に非常に大事というか根本になるので、そういうところから少しでも武術や武道に興味を持っていただけたらなと。

武術研究家が歯並びについて語ることにいささかの疑問は感じますが、姿勢研究の成果ですので、ご了承ください。

そもそもですが、歯並びというものは本来悪くなるものではありません。野生の動物なら歯並びが悪くなると食べることができず死んでしまいます。ただ、現代の子供は半分以上が歯並びが悪いです。つまり、歯並びが悪いことが普通になっています。普通とは正しいという意味ではなく、大多数ということだ。大多数が正しいとは限らないという話も前の投稿でさせていただきました。

歯並びというものは『骨の成長』と『筋肉のバランス』で決定されています。
まず、歯が並ぶスペースは『骨の成長』によって作られます。特に下顎骨は一般型の成長分類になります。要するに一般的な骨と同じような成長をします。現代の子供は下の前歯が見えていない子供が多いです。それは単純に運動不足で下顎骨が成長していないのです。現代っ子の宿命のようなところですが、親のせいかなとも思います。スポーツ選手に下顎が発達したひとが多いのも当然の結果と言えます。下顎の骨の発育が特に悪い顔つきを『鳥貌(ちょうぼう)』と言ったりしますが、『鳥貌』のプロスポーツ選手を僕は見たことがありません。

歯並びのアーチは『筋肉のバランス』で決定されます。歯並びを決定するのに使われる筋肉は唇、頬、舌ということになります。頬は原則取れたりはしないので、唇と舌が大きく関係しています。
例えば、出っ歯のひとで「私、出っ歯だから口を閉じれないの。」っていうひとがいますね。これは出っ歯だから口を閉じれないのではなく、口を閉じていなかったから出っ歯になったのです。唇が歯を抑えていなかったから、前に出てきています。しかし、前に出るからには内側から押される力が必要だろうというのが舌です。舌の力が歯並びには非常に関係が深いです。

みなさんは綺麗な歯並びというものはU字のアーチを描いているのはご存知でしょうか。何となくわかるかなと思います。このU字は舌に沿った形をしています。歯並びが悪くスペースが足りないひとはこのU字でないといけないところが、V字になっています。これはどういうことかというと、本来何もしていないとき、舌はどこにあるでしょうか。下顎についているんだから下顎だろうと思うひともおられるかもしれませんが、答えは口蓋部です。上顎に収まっています。舌の先は前歯の付け根の歯茎あたりに来ています。この舌に沿って、唇と頬が外側から押さえ付けてU字のアーチが作られます。これが口呼吸などの理由で口が開いていると、舌が口蓋部につかないので、U字が保てません。歯を内側から押すことができず、頬はちぎれていない限り、ありますから、頬からは抑えられる。口が開いているので唇も抑えられないから前に出る。結果V字になるのです。

奥歯が噛んでいるのに前歯が開いているひとは『異常嚥下癖』といって飲み込み方が異常です。飲み込めるけど、飲み込み方が間違っている状態です。頬杖なんかも歯並びが悪くなる原因です。『筋肉のバランス』を無視して外力をかけるわけですから、当然と言えば当然ですね。

ということで、歯並びは『骨の成長』と『筋肉のバランス』ということは分かっていただけたでしょうか。知り合いの歯科医師の受け売りですが、理に適っているかなとは思っています。これは口元の姿勢だけに焦点を置きましたが、次は全身と口元の関係について進めていきたいと思います。


モノノフ






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