ショートショート『路地裏マイホーム』
就職して初めて一人暮らしをする事になった壮亮。実家にいた頃は、料理はおろか洗濯すら自分でやったことはなかった。
人見知りで恥ずかしがり屋な壮亮は、毎日晩ご飯をコンビニ弁当かスーパーの総菜で済ませていた。一人でカフェに入ることすら出来ないのだ。
入社して半年が経つのに、なかなか職場にも馴染めないでいた。同期会では、みんなのノリについていこうと頑張ってみたものの見事に空回りした。
ある日、晩ご飯を買いにスーパーへ向かっていると、魚を焼く香ばしい匂いが漂ってきた。匂いにつられ