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今日から実践できる記者会見、取材時における感情のコントロールの重要性。

広報担当者は、時には報道機関や記者から辛辣な質問や聞かれたくない内容などを取材時や記者会見時に投げかけられることがあります。
特に、TVのワイドショーや情報番組では、困ったり、戸惑った表情が放映され、SNSで拡散されることにより、企業イメージやブランドイメージを損ねる場合があります。

あえて、鉄仮面のようになる必要はありませんが、仮に投げかけられる質問に対して、表情や顔の表情をコントロールすることは、重要なスキルになります。
広報担当者を長年務めていると、このエモーショナルコントロールがいかに重要なものなのかを感じる場面がたくさんあります。

報道機関や記者の中には、あえて嫌な質問などを投げかけて、その表情を取り上げたりする場合があり、気を付ける必要が出てきます。

目線のコントロールと座り方
特に取材時において、重要になるのは、取材時における取材対応者の目線や座り方、話し方が重要になります。
一番やってはいけないのは、高圧的な態度に見られる座り方と目線です。
取材時によくあるのは、役員会議室におけるソファ。社長や役員の場合、専用の打ち合わせ質があり、ソファで対応する場合が挙げられます。
ソファの場合、深く座ることになり、どうしてもイメージが高圧的になります。深く座らず、浅めに座ることで、姿勢と目線をうまく併せられるようにするだけでも、印象が変わってきます。

通常の打ち合わせ卓に備え付けの椅子の場合にものけぞらず、やや浅めに座り、視線を記者に向けることで、真摯な対応や印象を与えることができます。これは、人間の心理を利用したものですが、浅く腰掛け、相手との距離が縮まることで、パーソナルスペースを共有することにになります。
そこをうまく利用することで真剣に話を聞いている姿勢が相手に伝わることになります。

取材時に、広報担当者が取材場所をアレンジすることが多いと思いますが、見た目の印象や見せ方にも考えを及ぼすことで、同じ取材内容でも変わってくる可能性があることに留意しましょう。

感情のコントロールによる発言力と影響

人は、嫌なことを聞かれたり、聞かれたくないことを聞かれる場合、自己防衛機能が働き、感情に揺らぎがでます。
人間である以上、様々な要因で、感情がむき出しになる場合があることを否定はしません。
自信がないとき、自分の発言に確証が持てないときなど、目が泳いだり、視点が定まらなかったり、そのような映像が切り取られた場合のリスクを考える必要があります。
また、報道機関や記者への対応時に、感情のコントロールができないと、マイナスに作用する場合が多く、特にお詫びや謝罪会見、または、不倫や法令違反を犯してしまった場合など、表情一つで、印象は変わってきます。

最近の対応で、目についたのは、西武ライオンズの山川選手に対する週刊誌のアンブッシュ取材(夜討ち、朝駆けなどの予期せぬ取材)です。
このニュース自体には、評価、コメントすることはしませんが、ニュースや週刊誌の記事内容を見ると、感情コントロールがうまくできていないことです、ネガティブなニュースがさらに印象が悪いものになっていることがわかります。

確かに、週刊誌のアンブッシュは、想定はできない状況下にありますが、あまりにも無謀すぎる対応であり、ネガティブな質問に対して、「わらいながら」「にやけながら」といった写真と記事文面が掲載されることで、印象がさらに悪くなっています。

第一印象でほぼ7割のイメージと関係性が定着する

営業を経験したことがある方なら、第一印象は、営業担当者やその会社のイメージに重要であること言うことは、理解していると思います。
報道機関や記者からの取材時にも同じことが言えます。
特に、ニュースで切り取られるイメージや写真は、その場限りのものが多いこと、アイキャッチ的に使用されることを想定すると、印象を考えた服装に注意すべきです。

今回の山川選手の場合、自宅マンションに記者が来訪し、マンション外で対応していますから、ジャージやアクセサリーをつけた本人の好みの服装ではなく、印象を考慮した服装をしていたらと思います。先ほどの表情もそうですが、印象により、ネガティブな話題がさらに悪くなることを想定した対応が必要です。

せめて、ジャージだとしてもアクセサリーは外し、シンプルなぽろじゃつなどにするなど、一瞬で着替える時間はあったと考えます。
プロ野球選手や、プロサッカー選手もそうですが、試合でもイメージが先行するような場合、それとかけ離れている服装や態度であると、一瞬で、ファンから敵に回る場合があります。通常時であれば、問題ないですが、ネガティブな話題の時ほど、気を付けたいものです。

米国大統領も気にする色(カラー)の使い方

広報の世界の常識の一つに、米国大統領のネクタイを取り上げることが多いですが、概ね2種類のネクタイに大別されます。これは、カラーにより確認することができますが、ブルー系のネクタイをしている場合、冷静に話す必要がある場合や、論理的に話す必要がある場合などに用いられます。
一方、赤系のネクタイの場合、パワーや感情、熱意といったものを表現する場合に用いられることが多く、ちょっとした印象にも気を使っていることを広報担当者は理解しています。

つまり、公人や人の前に立つ職業の人ほど、自分の印象が発言や取材を見た一般な方に与える影響を理解していると言えます。

山川選手の例を挙げましたが、同じようなことは、他のプロスポーツ選手にも多く言えることです。企業の経営者や幹部だけではなく、プロスポーツ界やタレント、インフルエンサーに間に、このような考え方が生まれるようになれば、もっとファンやサポーターが増えていくと感じています。






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