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危機管理広報マニュアルは、万能薬ではない。ただのレシピ。必要なのは、運用スキル。

日本人は、マニュアル好き。

一昔前のスマホの取扱説明書に始まり、電化製品製品など、消費者にとっては、細かい点まで記載され、ありがたいのは、事実。
何かあれば、取扱説明書を見れば一通り分かる細かい記述が多い。

おそらく、日本の企業が、マニュアル大好きなのは、そんなところが背景にあるのかもしれません。

最近多いのは、広報マニュアル、特に危機管理マニュアルの要望が多い。
SNSの炎上やパワハラ、セクハラをはじめとする事件や誹謗中傷など、よく報道されるのは、法的なリスクと損害賠償。企業の方も、賠償責任に対して、損害賠償保険などの損害保険への加入や顧問弁護士への依頼などが目につきますが、本来重要なのは、企業内で運営がちゃんとできるかということ。

コメンテーターやニュースのアンカーなども法的リスクに関して言及は多いですが、炎上や偽装などにより、この失墜したレピュテーション(評判)を回復するために必要なこと、被害を最小限に食い止めるために事前のシュミレーションや行動、運営に関してコメントや発言をしている人が少ないことに気が付きます。

マニュアル・取扱説明書はあくまでも参考。
災害や事件事故に同じような規模や被害が起こるとは限りません。
マニュアルを作成したからと言って、マニュアルは得手すると、包括的かつ膨大な情報量に埋没し、いざ、必要な時にせれを活用できるとは限らないのが実情。
災害や事件事故時にマニュアルを探し、マニュアルを見てから行動するのでは遅すぎるという現実を一度考えてみてください。
タイトルにあるようにあくまでもマニュアルや取説は、万能薬ではなく、単なるレシピです。
そのレシピを見て実際に作ってみないと味はわからないものです。

料理でも同じですが、レシピ通り作っても、うまくいく場合、うまくいかない場合があります。つまり、何度か同じことを体験して、経験値や知見を蓄積していくことが非常に重要です。

これは、企業活動のマニュアルにも同じことが言えます。

マニュアルに書いていることがすべてではない。
マニュアルはあくまでも最大公約数。

広報マニュアル、危機管理広報マニュアル、営業マニュアルなど、マニュアルとつくものが企業活動をしているとたくさん会社にある気がします。
しかし、それを見るのは、新入社員や研修の時だけ。その後、自分なりにそのシチュエーションを理解し、対応方法を自ら自分なりにアレンジしていくものです。

そういう意味でも、マニュアルはあくまでもレシピといえます。

運用に必要なスキルとトレーニング

あるクライアントさんからのコメント。うちの会社は、コンプライアンスや研修など様々なことをやっているのですが、あまりキビいしいものはちょっと、遠慮したいと言われたことがあります。
何をもって厳しい、ストレスフルなのかは、やってみないとわかりません
お客さんや世の中から、ストレスがかからないクレームや、事件事故の対応は存在しません。

本来、このような危機管理トレーニングは、社内にそのリソースや知見があれば、いらないものです。
マニュアルに基づき、社内でトレーニングや研修のシナリオが作れれば、本来、会社主導で行うことがベストです。

具体的なトレーニングシナリオの作成

重要なのは、自分の会社のリスクを分析できているかということです。これは、顕在化しているリスク、潜在的なリスク、将来可能性のあるリスクを分析し、それぞれにプライオリティを作るところから始めます。

そのプライオリティに即してトレーニングを実施しますが、トレーニングには、担当者だけではなく、経営幹部にも必ず受けてもらうことが重要です。

サービスの面でのトレーニング、事件事故、食品偽装、車両故障、地震等災害によるリスクなど、シチュエーションごとに分析、分類し、それぞれに想定されるシュミレーショントレーニングを構築することが、重要になります。

当然、社内で知見がある場合には良いですが、第三者の視点からコメントや総評を行える人材を外部から招聘するのも必要になります。
自社でわかり得ない、世の中から見たリスクや問題点の指摘、対応のスピードや中身など、自社と世間とのGAPが生まれないようにするのも需要なポイントです。

このような視点でシナリオを構成し、年に最低でも1回ないし2回のトレーニングをこなうことで、マニュアルが単なるレシピではなく、自分なりにアレンジしたものとなるでしょう。


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monostyleinquiry@gmail.com








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