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【あいち2022】あいちNAUプロジェクト@一宮市

(写真:一宮市内の毛織物工場)

国際芸術祭あいち2022 

7/30から10/10まで愛知県の県立美術館、一宮市、常滑市、名古屋市の有松地区を中心に開催される現代アートのイベント。様々なアーティストの作品がSTILL ALIVE(まだ生きている・生存している)《今、を生き抜くアートの力》をテーマに構成されており、中には愛知県各地で展開されたリサーチ活動の成果物として、愛知の文化や産業、歴史も踏まえた作品・アートプロジェクトの記録が公開されている。

8/19~22の4日間、県内各地の展示を見てきたので、つらつらと思ったこと、学んだことを書いてみる。

眞田岳彦
あいちNAUプロジェクト《白維》

芸術祭開催期間中は毎日観覧可能。
10時~17時15分

展示会場は一宮市役所のロビー。作者が愛知県内各地の博物館をめぐり、地元の人とワークショップを開催。愛知県各地で生産が盛んだった綿花と綿織物に関する歴史を学び、各々の手で綿を織り(縄を綯う(なう)(NAU))、最後に作者がそれらを一つにまとめあげひとつの大きな木のように成した作品。

120万年ほど前まで愛知・三重・岐阜にわたって東海湖が存在し、その湖底であった広大な濃尾平野で綿花を育て繊維業が発展、機械の発展に伴って工業がさらに発展した愛知。
(東海湖の存在知りませんでした…)
まさに自然のうえに人々が暮らし、手を加え、産業を興し、諸々の文化が生まれてゆく、という愛知の歴史のひとつを可視化した作品であると感じます。

作品とともにプロジェクトの概要、愛知の毛織物産業の歴史などが掲示されている
一宮市役所ロビー
天井に向かって伸びる紡いだ綿


足元の根のような部分や幹のような部分には、プロジェクトに参加し、糸を紡いだ人の名前が記されたリボンが、まるで綿糸の巨木に取り込まれるかのように所々に見え、自然と共に(自然によって)人々は生きているということも改めて意識させられます。

今を生きるのは人々だけではないし、人々だけで生きている訳でもない、ということでしょうか。

ちなみに知多半島などで陶磁器の生産が盛んなのは、やはり東海湖の湖底に溜まった泥が焼き物を作るのに適していたため、一大産地になったということみたいです。

最後に一宮市役所の展望ロビーへ。

名古屋方面
足元

多くの市民の方?がお休みになってました。

国際芸術祭あいち2022リンク↓

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