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ヒトラボ<CASE-3>

僕はとある研究室に勤務する、「まだ」名もなき学者の卵だ。
日々、様々な研究を重ね分析し、この世にあるヒト・モノ・コトを全て解き明かしていき、いつか研究を・・・いや、僕たちの存在が認められることを望んでいる。

ラボには毎回、他では扱われない変わった研究対象の依頼が舞い込んでくる。僕たちだからこそ扱える特殊な案件だ。

ここで公表するデータはそういった分析の結果と、僕たちが働くラボの日常をお見せしたいのだが、、、

とにかくこの世には研究対象になり得るものが多い。ここでお見せしているものは、ほんの一部でしかない。
僕たちは日々、休みなく稼働している状態で、これが僕たちのラボの日常であり、掘り下げるネタも面白味もないことに気づいてしまった。

そういうわけで、さっそく今回の説明に移ろう。
今回の研究対象は・・・

≪男女あるある≫

という事例について、だ。

男と女、同じ人間である筈の生物が全く別の生態であるという。
これは僕にとっても非常に興味深い事例だ。

この事例を研究するにあたり、徹底分析となるとかなりの広範囲なデータ収集になることが予想され、時間を要する案件になりそうだと僕らは意気込んだが、依頼者から「とある一例だけを調べてくれればいい」との指定がなされたので、少し残念だが、その一例を分析することになった。

その一例とは、
”男はシングルタスク、女はマルチタスク”
についてだ。

複数のことを同時に実行できる女と違い、男は一つのことしかできない生きもの、というのだ。

なんともはや。
僕たちは「男女」という概念なく、マルチタスクが基本だ。
研究者というのは一点集中型と思われるが、色んな考えを巡らせながら、様々なケースを精査していくにはシングルタスクでは到底、結果を導くのは不可能だ。

しかし「男性脳・女性脳」という言葉があるようだが、脳の作りがそもそも違う、という生物学的になんとも奇妙な説が、”あるある”として「だからこういう行動をする」という事例が起こるらしい。


それが、男は一人の女しか愛せず、「二番目」という概念が存在しない、というのだ。

これはリサーチを進めていく中で、我々を大きく驚かせた。
なにせリサーチを始めた時は、シングルタスクの男性脳の評価がイマイチなデータばかりだったからだ。


さて。
【シングルタスクの男性脳、マルチタスクの女性】の多くある例としては、

<ケース1>
女性はマルチタスクで物事を行動するので、恋愛が上手くいっていれば仕事も上手く等の相乗効果を得ることも可能というプラスの働きが起こるが、男性は仕事、友人、心配事・・・どれか1つのタスクで脳がいっぱいになるので、恋愛を蔑ろにしがち。

<ケース2>
女性に比べ、業務を複数同時進行できない男性が多いので、職業によると女性の方が向いている仕事がある。

―こう見ると、女性より劣る、というイメージがどうしても前に出ている結果だった。

しかしながら、結果に平等性を保つなら、
女性はマルチタスクが故に、ひとつの歯車が狂うと他にも影響が出やすい。それに比べ、男性は一つ一つのフェーズを一心、一身でと取り組む為、成功者が多い。

そしてシングルタスクであっても、一つのフェーズにかかる時間を少なくすることができる男性は、マルチタスクの女性と同様か、それ以上に仕事を進行させることができる。


・・・とはいったものの、やはり男性脳のシングルタスクへのイメージを覆すようのものがなかったところに、新しいデータが入った。

それが先で述べた、
男に「二番目」という概念が存在しない、という一見、一途な好印象なものだ。

浮気、という事象は男も女も関係ないものだと思うが、人間の本能では、男性は一度に複数人に子孫を残すことができるが、1人の男性の子供しか産めない女性の方が、本気の浮気になりやすいというデータがある。

そうなれば女性の方が一途であるような結果だが、これは興味深い!
子孫を残すことに関してはマルチタスクな本能の男性と、シングルタスクの女性・・・

我々はどういうことなのか、このケースについて掘り下げることにした。
そうすると、今回の案件の落としどころが見えた。


何故、男性に「二番目」という概念がないのか。

それはそのまま「本命」しか存在しない、ということでは無論ない。
複数人関係を持つ女性がいようと、「本命」という位置づけをしている女性以外は、どんなに仲が睦まじくとも、一生「本命」に成り代わることはないのだ。
たとえもし「本命」がいなくなったとしても、「二番目」が昇格することはない。また別の「本命」が現れるのだ。

つまり男性の脳の中で「本命」というシングルタスクでの捉え方である為、その「本命」を一時、蔑ろにして「それ以外」と楽しむことがあれど、「本命」タスクは保留中なだけで、そちらは再開することはあれど、「その他」は臨時フェーズなので、完了すれば一瞬でタスクは消える。

やはり男性の脳がシングルタスクなのに違いはなく、それを理解していないと、女性はいらぬ期待をし、苦しむことになるようだ。

それに加え、女性の浮気は本気になりやすい、というシングルタスクのようなケースも、実は深く分析し調べると、女性は「本命」と「それ以外」を使い分ける、という、やはりマルチタスクさを発揮することがわかった。


どんなケースであれ、シングルタスクの男性脳とマルチタスクな女性脳の根本に例外はない、という結果が出たというわけだ。


とりあえずの分析は以上になる。
絞られた事象の分析ではあったが、実に興味深く、どこまでも調べていられそうだったが・・・依頼の分析結果を算出するのが我々の仕事だ。

まぁ、少しばかりおまけのデータが入ったとはいえ、依頼事象と深く関係しているものとの判断である為、問題ないだろう。
研究者だから、なんでも深く深く調べたい欲があるんだ。

では、今回はここまでにしよう。

また次のケースでお会いしよう。
それでは、良い眠りを・・・
now saving...shutdown,,,See You!!

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