湘南のあの子 前編

彼女とは芸人の時に合コンで知り合った。完全に一目惚れだった。僕は当時長く付き合っていた遠距離の彼女がいたが、その彼女と別れてまでこの子と付き合いたいと思った。結果、付き合っていた彼女とは別れ、この子を遊びに誘いまくって押しに押してなんとか彼女は僕の恋人になった。その時は本当に嬉しかった。

恋愛を思い切り楽しむには自分達に酔ってしまうことだ。「僕たちってなんだか最高だよね!」「この場所は僕たちが写真を撮るために存在している!」バカップルになるというか、「君が最高で、君といられる僕が最高。それは君も同じだろ?」喫茶店でこうしてコーヒーを飲んでお喋りしてたまに窓の外を眺めたりして、それでこれからどこへでも行けるよね。っていう感じ。

そして彼女は僕にとって十分すぎるほどそう思える相手だった。彼女が今まで出会った女の子の中で1番タイプだし、今でもそれは更新されていない。

ファッションの趣味が僕とドンピシャだった。古着が好きでよく一緒にいろんな古着屋に買い物に行った。彼女は買い物が上手だった。スニーカーはコンバースのオールスターがお決まりで、USAのビンテージをたくさん持っていた。オールスターを履いてる子に悪い子はいないと思ってる。

彼女は僕が「かわいいね」と言うと必ず「うん!」と答えた。ニコニコして首を縦に振って、うん!と言う。心がとても健康な子の受け答えだと思った。僕がもし女の子だったらこう答えようと思う。これが多分正解だ。

僕の好きな音楽も好きになってくれ、そこからはどんどんセンスのいい曲を見つけて僕に教えてくれた。彼女はディズニーが好きで、僕は中学生以来ディズニーに行った。

彼女は僕の友達や先輩後輩にもたくさん紹介したし、僕も彼女の友達に何度も紹介されて2人を取り囲む環境は幸せだった。


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