言語学を学んでて楽しいと思ったこと
世界って案外狭いんじゃないの?
そう思った出来事が以前ありました。
同じ学校の先輩Aさんが先輩Bさんと偶然にもある場所で会ったそうです。
どこだと思いますか?
学び舎の教室?
最寄りの駅?
スーパー?
テーマパーク?
上京先で?
JRの中央線?
いいえ、
カンボジアの空港です!
お互い別々で、相手に特に知らせずに長期休暇を利用してバックパッカーをしていたそうです。
この話を先輩方から聞いたとき「嘘でしょ⁉︎」とすごく驚きました。
だって羽田空港でも成田空港でも偶然ばったり知り合いに会うことはないし、仁川空港や桃園空港でも偶然日本人のグループとすれ違うことはあっても、カンボジアでちょっとでも時間がずれていたら会えなかったかもしれない状況でばったり会う。
え?世界ってこんなに狭かったっけ?
と思わずにはいられなかったです。
逆に世界は未知の領域も含めてとてつもなく広いんだなぁと思うことも多々あります。
言語だけで何千通り以上もありますし、文字だって平仮名、カタカナ、漢字、アルファベット、ハングル、キリル文字とあげればキリがないですし、漢字は表意文字という唯一の意味を持つ文字として、表音文字に属するグループからしたらとてもややこしく思えるかもしれません。
旧約聖書に出てくるバベルの塔の一件で言語の混乱を招いたことにより、私たちは未だに全ての人類との意思疎通はできていない状態です。
私はそこを一つ一つ少しでも解消できたらという思いで外国語を学んでいます。
けど、言語をマスターするまでの道のりはとても長く全く終わりが見えないです。
そもそも物や事象の概念も地域によって異なるのですから当たり前ですよね。
例えばアラビア語。乾燥地帯が多くラクダのキャラバンが何世紀もの間、街から街へと移動を続ける彼らにはラクダに関する単語が非常に多い。
痩せたラクダ、太ったラクダから始まり、毎日水を飲むラクダ、3日に1度水を飲むラクダそれぞれに単語があります。
私達が数詞と形容詞と名詞を付けてやっと一つになるものを彼らは1つの名詞で表せるそうです。
モロッコ人の友人に聞くと、彼は100個近いラクダに関する単語を知っていますが、遊牧民であれば300〜1000近いラクダに関する単語が出てくるそうです。
日本だと鳥取砂丘と動物園でくらいしか使わないからそもそもそれ以上の言葉が生まれなかったということなんでしょうね。
逆に温暖湿潤気候の日本は古くから雨と共に生活してきましたので、雨に関する表現はとても多いですよね。
しとしと、ざーざー、ぽつぽつ、通り雨、横殴りの雨。
みなさんは使い分けていますか?
雨に関する言葉は乾燥地帯では使う機会が少ないからそれだけ雨に関する言葉も少ない。
言語を学んでいくとそう言った違いに直面するので面白いなぁと思います。
さらに日本語の中でも言葉や話し方に違いがありますよね。
私は「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」の発音は使い分けていないですが、友人の友人で使い分けている方がいらっしゃいました。
ですが私は、上記は使い分けていないですが、「お」と「を」の発音は使い分けています。
これを聞いて、
「え?普通分けるでしょ?そもそも別物でしょ?」という方と、
「お」と「を」を同じ発音で話すことが当然の方の2通りに意見が分かれるかと思います。
傾向としては若い方は使い分けており、年齢が上がるにつれて同じ発音で話す方が何人かいらっしゃるなぁという感じです。
ちなみ外国人の旦那は2つを同じ発音で話すし、日本語学校でもそう習ったそうです。
私は「お(o)」「を(wo)」と分けています。
みなさんはどうですか?
このように日本語、外国語を学んでいると、地域、文化、年代によって学んできたもの、持っている語彙も異なることに気付き、奥深い言語学の世界の虜になってしまうものです。
こうして私達が少しでも相手の文化的背景から派生した言葉について知っていくことで、相手への理解度も深まり争いのない世の中になっていくのではないかと思います。
この話が少し難しいと思った方にオススメしたい本があります。
・翻訳できない世界のことば
エラ・フランシス・サンダース
・誰も知らない世界のことわざ
エラ・フランシス・サンダース
・なくなりそうな世界のことば
吉岡乾 / 西淑
挿し絵付きのとても読みやすい絵本に近い本です。
このコロナ自粛で家にいる期間を使ってよかった読んでみてください。
みなさんの世界がより広がると思いますから。
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