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【エッセイ】信じるか信じないかは「?」次第


~皆様、子供の頃に不思議な体験をしたことはありませんか?~



子供の頃にだけ
見えるものってありますよね。


大人になって、今思えば
あれはなんだったんだろうってことが
1つや2つあったりしませんか?


以前、どこかで
風が見えるという子どもが
話題になっていて
妙に納得したのを覚えてます。


そんな子どもの頃に見える不思議なものの
エピソードがあるので今日はそちらを
お話ししたいと思います。


どうか皆様お付き合いいただけないでしょうか?






私が小学生に上がる前の頃です。


私は幼少期に不思議なものをよく見ました。





母に叱られて
家の裏山に連れてかれたことがあります。


その時に木から木へと跳び移る
もののけ姫に出てくるような
巨大な狼のようなものを見たことがありました。




または、虫取りに行った時に
人間の目玉をつけたオレンジ色のイモムシを見たこともありました。




時には田んぼから
2つ首のキングコブラが出てきたのを
見たこともあります。




でも、誰に話しても信じてくれませんでした。



私も大きくなるにつれ
あれは見間違えだったのだろうと
思うようになりました。






そして、中学生になった時
日曜日に朝起きると
2階の私の部屋のベランダから
物音が聞こえました。


私は鳥でもいるのかと思い
カーテンを開けてベランダを見ると










日本猿がいました。



田舎なので猿はいますが
人里に現れることはありません。


窓越しではありますが
私と猿との距離は
1メートルもないぐらいです。


猿は私を不思議そうな顔で見てます。


私は突然のことで、猿を見つめたまま
動けなくなりました。


しばらく猿と目を合わせたまま
膠着状態が続きました。





そして、猿が突然「シャー!!」
威嚇して屋根から木へと跳び移り
どこかへ行ってしまいました。




このベランダは
私のお気に入りの場所ですので
「シャー!!」と威嚇したかったのは
私のほうでした。




しかし、そんなことより
すごい体験をしました!



私は急いで家族に
さっき起こった猿との出会いを伝えました。




でも、家族は窓に反射する
自分の顔でも見たのだろう
誰も信じてくれませんでした。


今度は
当時のSNSであるmixiで
中学校のみんなに
「猿がベランダにいた!」と伝えました。



ところが
いつまで経っても誰からも
反応がありませんでした。


ようやくコメントが1件来ましたが
友達のカズマくんから
「鼻毛真拳奥義」と当時流行ってたマンガの技名を送られてきただけでした。








私は誰も信じてくれなかったと
悲しみと寂しさを抱えて
次の日学校に行きました。





すると、クラスのイケメン
「昨日猿を見たぜ!」と騒いでいました。






恐らく私が見た猿と同じでしょう。




でも、残念ながら
誰も信じてくれませんよ。


そもそも日本猿というのは
日本に住んでいる限り、
人生で1度くらいは見ることがあるでしょう。


騒ぐようなことではありません。


動物園にもよくいますし
猿回しの人がよくお猿さんと
出し物をしたりしていますからね。


決して珍しくはありませんよ。


ちなみに、日本猿は
お尻が赤ければ赤いほどモテるそうですよ。


ま、そんな豆知識を持っていようが
誰も注目してくれませんから
仕方ありませんけどね!


可哀想ですが
クラスのイケメンくんが
誰からも相手をされず悲しんでいるところを後で励ましてあげましょう。








しかし、なぜかクラスの女子達が
イケメンに吸い寄せられるように
群がっていきました。





ええええええええっ!!


なぜでしょう!?






そして、イケメンは話を続けます。



「猿と喧嘩して勝ってさ!
そのまま仲良くなったから一緒に釣りしに行ったんだ!」





ぷぷっ


ダメですダメです。

笑ってはいけません。



いや~、しかし、イケメンくんは
何を言ってるのでしょうね?


そんな話信じられるわけないじゃないですか?


お猿さんと喧嘩した?


いくらお猿さんが小さいからと言っても
ナメないでください。


桃太郎の昔話では
鬼と戦ってますからね。


中学生男子では間違えなく殺されます。


勝てるはずがありません。


そして、仲良く釣りに行った?


ふふっ
相変わらずイケメンくんは
ジョークが上手いですね。


まぁ、それがジョークだと笑ってくれるのは私ぐらいでしょうね。


クラスのみんなは大袈裟な話過ぎて
白けてしまうでしょう。








しかし、なぜなのかわかりません
クラスのみんな盛り上がって
担任の先生まで話に入って
めちゃくちゃ楽しそうにしているのです。





…な、なんで?


なんで私の話は
誰も聞いてくれなかったのに
彼のファンタスティックな話
盛り上がるのですか?






私と彼の違いはなんなのでしょう。


私は頭を抱えて悩みました。


悔しいですが
私の理想をイケメンくんは手に入れてるのです。




すると、
親友カズマくん
悩める私に近づいてきて
慰めてくれるかと


思ったら



突然「鼻毛真拳!」と言って
鼻に紐をつけて襲ってきたので
私は「シャー!!」と思いっきり威嚇してやりました。





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