見出し画像

SDGsとは結局なんなのか聞いてみたら、うんこ食い始めた

2022年にも入って、小学生でも学校で教わるというから今や知らない人はいないであろうというワード。
この記事はSDGsって最近やたら聞くけど、なんか うさんくさいよね、と思っている(いた)私みたいな人に向けたものです。

SDGsって言いたいことはわかるけどマジメな感じするし、大事なんだろうけど、なんとなく「エコロジー」と共通の認識だったので節約とか、地味なイメージ。未来感もワクワクも私はなかった。

だけど、色々と知るうちにイメージが変わった。
今回はその話をしたいと思う。

まずは知らない人向けによく言われる定義をざっとおさらい。ここはあんまり面白くないかも。

一般には

17個の、みんなで目指すべき目標であり、2015年に国連でまとめられた。2001年制定の「MDGs」の後継なので、15年に一回くらい目標を見直しましょうかという雰囲気である。
日本語訳を見ると、みんな、豊か、クリーンといったハッピーな言葉と、妙に馴れ馴れしい呼びかけが数字の横に小さく書いてある。幸せになれそうだけど、具体的にどうやって幸せになるのかはちょっと捉えどころがない。

画像1

SDGs。Sustainable Development Goals。日本語は、持続可能な開発目標。

今回、注目したいのは目標12「持続可能な消費と生産」、そして「持続可能な開発」という概念そのものである。

サステイナブル=持続可能とは

画像2

まず、そのへんの環境保護団体と真っ向から衝突する点があるとすれば、まさしくSDGsが開発と消費を掲げていることである。

20世紀はみんながバリバリ作ってどんどん消費すれば、みんなハピハピというのがドグマだった。
AさんもBさんもCさんもそれぞれ特化したものを売れば、欲しいものは売った対価で買えるし、他の人が自分の欲しいものを作っておいてくれる。たくさん作れば作るほど一個あたりは安くなるので、分業はした方がいい。

無題 76

ながらくうまくいっていたわけだけど、首が絞まってしまったのはなぜか。


何かをつくると必要なものが減り余計なものが出るからだ。

公害、水質汚濁、森林伐採、資源枯渇といった問題は、つまりは「飯を食ってうんこをするだけだと、みんなじきに死ぬ」ということだ。

うんこまみれはイヤだ。
じゃあどうすればよいか。

簡単です。うんこが食えるようにすればいい。

SDGsの本性を知ったときは恐ろしいことを言い出したな、と思ったけど、考えてみると直結させなければよくある話。
排泄の量に比して収穫の量は足りないものの、し尿を肥料に使う歴史は長く、植物が光合成に使う二酸化炭素は大気中に溢れている。また太陽光は潤沢に利用可能なエネルギーである。

SDGsを実現させるための技術の根幹はそこにある。
「みんながいらないと言ってるものを使えないか」
だけどもっと直接に、大規模に、効率的に、究極的にはうんこそのものが食えるようになる技術も開発されつつある。

アートボード 1

何度でも使えるコンクリートとか、水から作るプラスチックとか。燃やしてしまえば水と二酸化炭素になるような樹脂であれば直に合成できるようになりそうらしい。SFか?

植物が自分の体にデンプンを蓄えるように、触媒やら太陽光やらを使って水と二酸化炭素からプラスチックの原料を作ってしまう。いらなくなったら捨てる。燃やしたら使った分の二酸化炭素が大気に出るだけだし、ほっておけば土に還る。

画像5

これらはまだまだ発展途上だけど、確実に前に進んでいる技術だ。社会全体への実装が待ち遠しい。

もうひとつ、その循環性に対する意欲の強さが出ていた(そしてSDGsの性格もよくわかった)原子力発電の話を例にだしたい。

SDGs「原子炉は無くすべき。なぜなら…」

20世紀末ごろの「エコロジー」の考えに基づくなら、実は原子力発電は
「積極的に採用すべき」である。二酸化炭素も出さないし、エネルギー効率はかなりいい。

一方で、2011年に起こった地震の影響で、原子力発電に関連して多大な被害を被った人々がいる。いまだに汚染のせいで人口が0人になったままの町もある。原子力は自然災害が多い国ではやはり厳しい…猛烈な反対派の人がいるのもうなづける。

で、SDGsは意外にも(?)反対派。
なぜか。

SDGs<燃料となるウランもプルトニウムも「減る」じゃん

ドライ…安全性とか人の暮らしのためとかではないのか…ただ可採年数は70年くらいあるし、「核燃料のリサイクル」とかも聞いたことあるけど

SDGs<深く掘れば掘るほど値段上がる。プルサーマルリサイクルは燃えカスから搾ってるだけだから「シケモク」と一緒。
重水素使うんやったらまだマシかもなぁ。海ん中にめちゃくちゃあるし。ただ二千年くらいはもつけどずっとではないから他のを考えんとな。エネルギー面でほんとにサステイナブルになるのはまだまだ先だで。

はあ。
太陽光発電はサステイナブルなんじゃないんですか?

SDGs<太陽が燃え尽きたら終わりやん

50億年後なんですが。

突拍子もなさすぎて

なるほど、なるほど。結局はみんな一緒だ。

ちょっとスケールが宇宙すぎてついていけないこともあるけど、とりあえずSDGsが意外にも技術を使って社会全体をもっとスムースに回せるようにするという意欲を持っている、「ガンガン行こうぜ」なことを知って、楽しみになってきた。地球上での問題を解決して、宇宙、早く行きたい。

画像3

私は理系なので科学・技術系に目がいってしまいますが、他にもヴィーガンなどの文化的、社会的な問題についても技術面を絡めた面白い話がたくさんありました。また、他の16の目標も「循環」という面から捉え直すこともしてみたいと思います。今回詳しく書く時間がなかった再利用可能なコンクリートについても、別な機会に書けたらなと思います。

※確かに超最終的には50億年後(くらい)にくる(らしい)太陽燃え尽きは考えないといけませんが、Sustainable Development ”ゴール”sというだけあって、当面の目標を「化石燃料からの脱却」とすることは世界的にも合意が取れていることのようです。ただやはりSDGsの顔を見ていると「そんなんで満足しないよね〜…?」と言う気持ちにさせられます。怖い。
また、当然社会全体の幸福を考えるので、周辺住民に被害が及ばないのは「前提」だと。それこそ「早く安全な無線無損失電送技術を完成させて、宇宙空間にいろいろ移すべき」です。

色々と教えてくださった方ありがとうございます。少し前の記事になってしまいますが、これらの記事が関連しています。

こちらではウランはあと100年と書いてあります。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?