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織り成し

タワークレーンが立ち並び、それを夕日が照らす。
なんとも言えぬ哀愁…。

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自然の美しさというのは、自然が自然の力のみで奇跡的に形成されるものもあれば、人間の自然を活かす共存の知恵の集結で完成された場合と、大きく分けて2つあるだろう。

人間はただでさえ作為的であり、利己的な存在である。故に、自然を活かしていると思いきや、作為が強すぎて、美しい光景を潰す切欠を造形している場合もある。

逆に、自然の力を巧みに活かすために、人間が知恵を集結させて、必要十分な加減で手を加え、自然の美しさが維持されている事もある。

織り成し、というのは実に難しいもので、片方の力が強すぎても弱すぎても成立はしないので、相手をよく知り、それを活かす能力が試される。

日本人はそもそも、文化を通じて、織り成す力を強く持ち続けてきた人種だと思うが、最近は自然に逆らうエゴイスティックな考えばかりが横行しているので、織り成しという言葉ばかりに酔うだけで事を終息させる。

中島みゆきの「糸」という曲は好んで聞く割には、織り成しの世界からは常に遠ざかる人間関係。環境問題への意識は定着せず、面倒な手間は省くだけの他人事な生活スタイル。

織り成しとは、インスタントな世界に存在はせず、日々の、凡事の積載なくして、その達成は不可能なものである。

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