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とやま観光塾について

全国旅行割引支援の話でも書こうかと思い立っていたが、6月下旬より新型コロナウイルスの増加が報道されはじめ、本来ではあれば7月14日から開始予定だった旅行割引が延期となってしまい、書くタイミングを逃してしまった。

現在は旅行割引を話題にすることすら憚れるほどに、テレビやネットメディアはポーカーゲームのダブルアップのように倍々に増加する感染者の「数」をフォーカスして連日報道、ここ2年半で何度も繰り返されている重苦しい雰囲気が漂っている。

こうなると、外出も各々制限するようになってしまうのが現状である。先月、久しぶりの県外への団体旅行が予定されていたが、コロナ感染爆発により寸前でキャンセルの連絡があった。感染リスクを回避した仕方のない事ではあるが、石を積み上げては崩される賽の河原にいるかのような心持ちになってしまう。

現在、「ブロック割」という富山県ならびに隣県の旅行や宿泊が割引される制度がある。しかしながら、富山県内の旅行会社は富山県内の宿泊や旅行の割引のみ手配でき、石川県など隣県への割引を求める際には、旅行者がその県の旅行会社または宿泊施設に予約をしなければならない(福井県を除く)。全国各地に支店を持つ大手旅行会社やOTA(オンラインツアーエージェント)はこの制度の利用にあまり壁はないが、支店を持たない中小の地元旅行会社にとっては県外旅行手配の足枷となっている。不公平であり、旅行者にとっても分かりづらく不便な制度と言わざるを得ない。

とはいえ、そういった現実を嘆いてもコロナが収束、というか病気自体の扱いを変えない限りは続くので(そのような動きが出てきて期待しているが)、今年参加している「とやま観光塾」のことを記そうと思う。

観光塾に入るきっかけは、昨年富山県の「アフターコロナを見据えた観光」に関する補助金の認定を受け、北陸新幹線敦賀駅開業に向けた旅行商品「ジモメシ富山」を作ったことからだった。コロナ前の業務として、これまで企画や手配は県外、海外のものがほとんどで、地元富山の観光については、添乗や旅行企画することはまれであり、「県内の旅行者を外に送る」という認識だった。コロナ禍となり、それをしのぐ一手として感染リスクが少ない近間の旅行、いわゆる「マイクロツーリズム」が叫ばれるようになり、県外旅行の復活が不透明な中、逆の視点で県内の観光資源や文化、習慣に特化・深化したような旅行商品を作るべきなのではと思うようになった。

そもそも自分は地元で生まれ育ち、前職は記者として地域のニュースを追っていたし、各種団体に所属して地域おこし的な活動にも携わってきた。富山に対する愛着は人一倍強い。自身が造成し手配した地元の商品で、富山を訪れる旅行者へサービスを提供し、地域の振興に役立てることになれば理想が現実になる。観光塾はそのための講義が充実しているという触れ込みもあり、参加を決めた。

第一回目。観光マイスターの講師の授業が勉強になった。
「人口減少化時代、これからの旅行は高付加価値をつけて顧客満足度を上げる。数が減るのだから単位を上げる」

「経済政策として観光を基軸とした『稼ぐ地域』を育てることが私たちの役割」

団体旅行が消滅し、個人旅行が主流とならざるを得ない今、従来のような価格前提で募集型企画旅行方式で集客する手法よりも、1名から参加できて単価は高いもののここにしかない旅行サービスがある、という要素を主眼に置いた商品が多様化する時代に必要であり、手配を通した関連業者との双方が利益を得る仕組みが持続的な観光を生み出すことに肝要であるなと感じた。簡単なことではないが、新たな関係性を築き旅行商品を形作っていくのはやりがいを感じる。

講義終了後、初顔合わせとして交流会があった。行政の観光関係から地域おこし協力隊など、観光という立場では近しいものの、今まで接点のなかった方との出会いは新鮮だった。観光を通じて富山の発展に貢献したいという思いは一緒である。

観光塾では修了までの間に、現状の課題解決のための方策を各自取りまとめてプレゼンするという課題があり、そのための特別講義が先日三重県鳥羽市を舞台に実施された。

その話は次回に。

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