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モンゴルにおけるフェンシングおよびのバレーボール医療事情

今までモンゴルのサッカーとレスリングに関することをご紹介してきました。今回はフェンシングバレーボールの現場での経験を書いていきます。

それぞれ内容が短いため2つをまとめることにしました。




フェンシング

フェンシングに関わるきっかけは、オリンピックに関われるかもしれないと思ったからです。(レスリングに入る以前の2018年11月のお話です。)

なんとなくFacebookを見ていたら、アジア競技大会ジャカルタ2018の現場レポートが目に止まり、モンゴルのフェンシングチームの写真を見ました。

失礼ですが、ふとフェンシングってマイナーだからきっとチャンスあるなと思いました。

早速Facebookでモンゴルフェンシング協会の会長を見つけて、いきなり直接メッセージを送りました。

”モンゴルにいる日本人のトレーナーです。オリンピックでモンゴルチームをサポートすることが夢で、フェンシングで働くことに興味があります”

すると突然連絡をしたのにも関わらず、乗ってくれて、その週には練習現場に行かせてもらうことになりました。やはり”日本”というブランドは強い。

練習時に何人かの選手から相談を受けて、ケアやエクササイズの指導。コーチや選手の反応は良かったものの、この時期は年度の終わりで組織内の異動があるため、今は雇うことができないと言われました。

そこから数ヶ月連絡が無く、私は別の道を探してレスリングに行くことにしました。

それでも、国内大会の際に会場医療スタッフとして何度か呼んでいただき、スポット活動しています。

一応、シニア全国大会では会場ドクターを用意するようにはしているけど、他の大会においては予算の関係もあって、医療関係者は不在のことがほとんどだそうです。

それでも私がサポートしたジュニアの全国大会では1日だけで捻挫や脳震盪などの外傷から虫垂炎(の疑い)のような内科疾患も遭遇しました。普段はどう対応しているのだろうかと思います。

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バレーボール

モンゴルのバレーボールが強いイメージはないでしょう。サッカー同様に、世界のレベルには到底及びません。男子、女子ともにFIVBランキングで最下位です。(同率)

それでも、グラウンドが整備されていなかったり、冬季は長く厳しい寒さのため外で活動ができなかったりすることがあり、娯楽スポーツとしてはバスケとともに人気です。

私がサポートしていたレスリングのクラブチームには、様々な競技種目のチームを有していおり、その中の一つがバレーボール。

クラブチームに入った経緯はこちらを読んでください。


バレーボールモンゴル代表の8割以上の選手がそこのチームに所属していました。したがって、モンゴル国内においては強豪チームです。

ところが、やはりそんなチームでもフィジカルやテクニックはもちろん、特に自分の身体や競技に対する意識はかなり低いように感じました。

試合が始まる30分前まで寝そべってスマホゲームをしたり、わいわいカップラーメンを食べている状態。やっと着替えて、コートに出たかと思えば、そこでも寝転がってのんびり試合観戦。(もちろん、ちゃんと準備をする選手もいなくはないです)

練習の時に普段は5分くらいアップするのみで、すぐにボールを使い、練習終わりはダウンもすることなくすぐ帰宅。

私が入って様々なことを話したり実践してみてからは、新鮮さを感じたのか楽しそうに取り組んだり、練習前後の自由時間には私が行なったエクササイズを自らやっていたり、試合の入り方も少しずつ変わっていきました。

昨シーズンは日本人選手も何人かいたようです。

レスリング同様に、大会時は他のチームのテーピングや応急処置も行ないました。何より、このバレーボールの大会においても医療関係者は不在。怪我が出た際は全て私が対応していました。(なぜかレフェリーたちのケアまで...笑)

どうでもいい話になりますが、女子の試合は悲鳴のような甲高い雄たけびがうるさすぎます。周波数の高い音波で鼓膜が貫かれ、脳が溶けてしまうかと思いました。

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それでもレスリングを辞めたと同時にこのチームとの関わりもなくなり、わずか4ヵ月のみの活動でした。辞めた理由はレスリングの方をご覧ください。



最後に

今まで、モンゴルにおけるサッカー、レスリング、フェンシング、バレーボールの医療事情についてご紹介してきました。

代表チームや様々な現場で活動しているという話をすると、すごい行動力とか、特出したスキルがあるのではと言われますが、全くそんなことはありません。

モンゴルのどの競技にも共通しているのが、圧倒的な医療スタッフ不足。モンゴルにはスポーツ医学を教えるような大学や教育施設はありません。

一般市民や各スポーツ協会の関係者にはあまり認知されていませんが、試合などで海外を訪れている選手やコーチたちは滞在先の医療環境や相手国のチームなどもよく見ており、スポーツ医学を有したトレーナーやドクターを必要としています。

私は様々な現場に突撃でアポを取りますが、必ずと言っていいほど、知識や経験の有無を問われずにすぐ採用されます。


ブルーオーシャン状態です。


ライバルがいない一方で、一緒に活動する仲間もいません...


ぜひ海外でスポーツ現場に関わりたい方や代表レベルで活動したいと考えている方は、ぜひモンゴルへ!いつでも気軽にご連絡ください!



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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