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米国一強時代の崩壊がもたらす恩恵

 今週の日本株市場は先週と同様、堅調な動きが期待できそうだ。日経平均は先週、年初来高値水準にまで上昇しているが、投資部門別売買動向で海外投資家が2週連続で1兆円以上の買い越しであることから、年初来高値の水準を突破するのも時間の問題と見て良いだろう。
 投資主体別売買動向をみると、相変わらず高値恐怖症の個人投資家は売り越し基調が続いている。
 この状況をみると、直近の相場の強さの背景は、海外投資家の買いが主導していることは間違いないだろう。特に先物の買い越し額が大きいので、CTA(商品先物の取り扱いのみならず、通貨や株式指数先物などといった幅広い金融商品へ投資し、顧客から依頼を受けて預かった金融資産を運用する企業、または運用者)を中心とするマクロ系ヘッジファンドの買い戻しが進んでいるのは間違いないだろう。
 9月からの大幅調整時に海外投資家の先物の売り越し額が大きかったことを踏まえても、直近の堅調な相場は、買い戻し中心との見方でほぼ間違いない。だからこそ、日経平均やTOPIXが年初来高値水準にまで上昇してきているので、多くの市場関係者は売り目線となっているのかもしれない(つまり、本格的な海外勢の日本株買いはまだ発生していないということ)。
 しかし、現在の日本株市場は更に上昇相場に移行する可能性が高い。アベノミクスから始まった今回の長期上昇相場は、国内要因のみならず、外部要因の影響も受けているからだ。


グローバル化の終焉が日本経済に与える影響

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